中島は謝罪…突然の発表に「え!?」 涌井が語る相乗効果、低迷中日の「空気が変わる」

中日・中田翔(左)と中島宏之【写真:荒川祐史】
中日・中田翔(左)と中島宏之【写真:荒川祐史】

中田は出場機会求め巨人との複数年契約を破棄、中日に入団

 球団初の2年連続最下位からの巻き返しを誓う中日。昨季、プロ19年目にして初めてセ・リーグでプレーした涌井秀章投手がFull-Countのインタビューに応じ、今季加入した34歳の中田翔内野手、41歳の中島宏之内野手を「いいベテラン」と歓迎した。

「翔(中田)は1本の柱というか、打点という部分で走者のかえし方を知っているからね」

 淡々と語る口調に信頼感が滲んでいた。総得点は4年連続リーグワーストで、打撃が課題のチームに3度の打点王など現役歴代3位の1062打点、通算303本塁打の大砲入団は大きな起爆剤となる。中田自身も出場機会を求め、巨人との3年契約を途中で破棄。試合に飢えているだけに大暴れが期待できる。

 中日の野手では昨季、現役ドラフトでDeNAから入団した細川成也外野手がチーム2冠の24本塁打78打点をマークした。2019年ドラフト1位の石川昂弥内野手は細川に次ぐ13本塁打45打点と素質を開花させた。ただ、涌井は「去年くらい打てたら最高だけど、相手も対策を練ってくる」と指摘する。そこで中田だ。

「(細川、石川昂は)厳しい攻め方をされるかもしれないけど、それでも翔というお手本がいれば、こういうこともできるんだ、と知ることができる」。通算209本塁打、994打点の中島もいる。「この2人を見て、打点をあげる技術はつくんじゃないかと思います」と期待を寄せる。

西武時代の同僚、中島の中日移籍に「え!? 言ってくれればいいじゃん」

 昨季のチーム打点は12球団ワーストの370。投手陣の数字は悪くないだけに、打点増が勝利につながり、順位に直結していく。

「ベテランが入ると空気が変わる。いいベテランだからね。何かのきっかけになれると思いますよ」

 中島とは2005年から8年間西武で共にプレーし、2012年以来12年ぶりに共闘する。中日入り発表の際には「え!? 言ってくれればいいじゃん」と連絡したが、交渉段階で話すことができなかったと謝られたという。

 涌井自身には、西武、ロッテ、楽天に続き中日で史上初となる4球団目での最多勝や、残り41勝の通算200勝という偉業への挑戦が待ち受けている。「最多勝は難しいかな。(白星は)運もあるし。200勝も、どこかで2桁勝利しないと見えてこないかな。年齢的にも2桁しないと現実的じゃないかな」。

 37歳右腕は慎重に語ったが、中田&中島の512本塁打2056打点コンビとともに、投打でベテランが低迷するチームを救う。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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