まだまだ上達する“門脇の守備” 投手からの吸収にコーチ感嘆…背番号だけじゃない変化

宮崎キャンプに参加している巨人・門脇誠【写真:宮脇広久】
宮崎キャンプに参加している巨人・門脇誠【写真:宮脇広久】

“名手”川相昌弘守備コーチも「より進化を求めている」と目を細める

 就任1年目の巨人・阿部慎之助監督が既に今季レギュラーを確定させているのが、遊撃・門脇誠内野手、三塁・坂本勇人内野手、一塁・岡本和真内野手の3人。1日から始まった宮崎キャンプでは、特に“新三遊間”が注目の的となっている。

 宮崎キャンプ初日と2日目は続けて雨にたたられ、木の花ドームでの練習となったが、シートノックでは門脇と坂本がそろって存在感を放った。

 プロ2年目の門脇は「坂本さんはオーラが違う。オーラは自分から出すものではありませんが、僕も負けないようにしたいです」と苦笑したが、門脇の切れ味抜群の身のこなしも、いやがおうにも目立つ。阿部監督も「フットワークがいいなと思います」と感嘆していた。

 門脇は創価大からドラフト4位で入団し、ルーキーイヤーの昨年、抜群の守備力で台頭。7月には怪我で戦線離脱した坂本の代役として連日ショートを守り、坂本復帰後は三塁手として出場を続けた。7月下旬の時点で打率1割台に低迷していたバッティングも、8月に月間打率.339(62打数21安打)をマークし急上昇。最終的に126試合出場、打率.263。ゴールデン・グラブ賞5度の坂本を三塁へ追いやる形で、遊撃の定位置をもぎ取ったのだった。

指揮官「いいお手本があってよかった」と感謝

 背番号も「35」から「5」に軽くなった門脇。このキャンプでは、「守備でボールの握り方を変えています」と明かす。昨年までボールの横を押さえる形だった親指の位置を、ボールの下に移した。ちょうど投手のストレートの握りと同じ握りに。「ボールが指に掛かりやすくなり、肩の負担も減りました。自主トレ中、投手陣といろいろ話す中で、取り入れられるものは取り入れようと思いました」と説明している。

 キャンプ2日目の時点で「感触はめっちゃいい。1発勝負でも怖くなくなるくらい練習を重ねたいと思います」と確かな手応えを得た様子である。遊撃手としてゴールデン・グラブ賞6度の川相昌弘内野守備コーチも「ボールの握り方は大事です。しっかり握らないと、いい送球はできません。本人がより進化を求めて試しているので、いいことだと思います」と目を細めた。

 一方、三塁にコンバートされた坂本は、遊撃の時より約5ミリ大きいグラブに替えることを決めた。このキャンプにはタイプの違う4種類のグラブを持ち込み、シーズンを通して愛用する“相棒”を探しているところだ。「1日や2日では決められないよ」と苦笑する。

 体調は上々のようで、フットワークは軽快。阿部監督は「勇人があれだけちゃんと動いてくれると、周りも触発される。いいお手本があってよかったです」と35歳のベテランの意欲的な姿に感謝している。

 阿部監督1年目の戦略の肝ともいえる新三遊間。浮沈の鍵を握ることは間違いない。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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