7年間で“2度目”の食事会 山本由伸は「ずるい…」愛情込めるT-岡田「かっこいいし、可愛い」

ドジャース・山本由伸(左)とオリックス・T-岡田【写真:ロイター、荒川祐史】
ドジャース・山本由伸(左)とオリックス・T-岡田【写真:ロイター、荒川祐史】

36歳を迎えたオリックス・T-岡田、山本由伸へ「最後に、ご飯行こうや!」

 ベテランの味深い優しさが、そっと染みた。14日に36歳の誕生日を迎えたオリックスのT-岡田外野手が、今オフからメジャー挑戦し、ドジャースへ移籍した山本由伸投手へ“親心”を見せた。

 年齢差は10歳以上も離れている、かつての同僚。7年間は同じ色のユニホームを着て、ともに白星を追ってきた。「野球に取り組む姿勢、意識の高さ……。年齢に関係なく、尊敬するものがありました。向こう(メジャー)でも頑張ってほしいですよね。18歳で初めて出会った時から、真っすぐな視線はずっと変わっていないです」。目を細めて、愛情を注ぐ。

 同学年の安達了一内野手兼任コーチと開いた“プチ送別会”は1月中旬だった。「シーズンが終わったタイミングで、すぐに声を掛けましたね。『最後に、ご飯行こうや!』という感じです。11月、12月は(移籍で)忙しそうだったので、1月になりました」。移籍先が決まるまで、頻繁に連絡を取ることはなかった。

 昨年末、山本のドジャース入団会見が終わると、日程調整に入った。「まずは安達と3人で日程を合わせて、行けるタイミングが整いました」。ニヤリと笑う理由は、もう1人“ゲスト”を招待しようと考えていたからで「宮城も1人暮らしだし、どうせ暇やろうなと(笑)」と、連絡を入れた。

 当日は4人で他愛もない話から、深い話で盛り上がった。「雰囲気は普通な感じでしたね。本当にいつも通り。由伸は入団してきた時から結構、話をする方だったんでね」。“職場”では話し込むが、プライベートでは7年間で2度目の食事会だった。

「マジですよ……(笑)。1回目も昨年春の宮崎キャンプだから、実質1年で2回なんです(笑)。由伸は本当にね……。例年、12月も1月もすごく練習をする。オフも隠れて練習していますからね。投手4冠を3年連続で獲得しても、野手にまでアドバイスを求めてきます。『こういう時はバッターってどう考えているんですか?』と質問してくる。野球に貪欲で、常に上を目指している。何かを吸収しようという姿勢がずっとある」

 プロ入り直後から、メジャーの大舞台へ挑戦するまでの過程を全て見届けてきた。T-岡田は「山本由伸」をどう見ていたのか――。「うーん……。ずるいですね(笑)。かっこいいし、可愛いですし。それに、あれだけ凄かったら、そりゃ人気が出ますよね」。納得の声が聞こえた。

◯真柴健(ましば・けん)1994年8月、大阪府生まれ。京都産業大学卒業後の2017年に日刊スポーツ新聞社へ入社。3年間の阪神担当を経て、2020年からオリックス担当。オリックス勝利の瞬間に「おりほーツイート」するのが、ちまたで話題に。担当3年間で最下位、リーグ優勝、悲願の日本一を見届け、新聞記者の卒業を決意。2023年2月からFull-Count編集部へ。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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