山川穂高が抱える懸念材料 キャンプは順調も…専門家が語る“空白の1年”の影響

ソフトバンク・山川穂高【写真:小林靖】
ソフトバンク・山川穂高【写真:小林靖】

野口寿浩氏が鷹キャンプを視察、山川は「間違いのない調整をしている」

 西武から国内フリーエージェント(FA)権を行使してソフトバンクに加入した山川穂高内野手。昨季は怪我や自身の不祥事の影響もあってわずか17試合の出場に終わったが、現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏はブランクについて「心配しなくていいと思う」と述べた。

「楽しそうにやっているよね。チームに溶け込んでいる」。笑顔で練習し、時折大きな声を出す。守備でも好捕でファンから喝采を浴びた。ソフトバンク移籍は“大騒動”となったが、野口氏は伸び伸びプレーしている山川の姿を、温かい眼差しで見つめていた。

 フリー打撃については「間違いのない調整をしていると思います。相変わらず柔らかさと強さを兼ね備えているバッティングをしています」。ブランクについても「心配しなくていいと思う。去年1年で日本の野球も、メンバーもガラッと変わったわけではありませんから」と述べた。

 唯一の“懸念材料”として、試合に出ていなかった昨年が1年目だった投手や、大きく伸びた投手の対応だという。「楽天の荘司(康誠投手)のように、昨年活躍したルーキーはマークしなくてはいけないかなとは思う。あとは対戦の少ない投手も。1年間の成長を知らないので、そこをどうケアしていくだけだと思います」と占った。

4年連続GG賞の中村晃はどう使う…鷹が抱える「贅沢な悩み」

 山川の加入で注目されているのは、同じ一塁でプレーしていた中村晃外野手との共存。野口氏も「2人とも使えたらいいですよね。中村の勝負強さは捨てがたい。守備だけ見たら中村の方が数段上ですから」と語る。一塁手部門で4年連続ゴールデングラブ賞を受賞した守備力は魅力的だ。

 11日のフリー打撃中の守備では柳田悠岐外野手が右翼、周東佑京内野手が中堅でプレーしていた。これに近藤健介外野手が左翼に入ると外野は埋まる。「山川がDHだとしたら、ウォーカーが出られなくなる。周東を二塁に回したら牧原(大成)をどうするのか。二遊間を周東、牧原、今宮で回す形になるのかな。勿体ない。小久保監督はどう考えているのか。贅沢な悩みです」と述べる。

 打順に関しては2番に近藤を推し、柳田、山川と続くラインナップを理想に掲げた。捕手目線から「この並びを抑えるのは至難の業です。どうやって抑えようかな。他球団も頭を抱えていると思います」と苦笑した。まもなく始まる実戦で、指揮官の構想は見えてくる。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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