DeNA最大の“泣き所”を解消できる21歳 専門家絶賛…定着なら「攻撃自体が変わる」

DeNA・度会隆輝【写真:町田利衣】
DeNA・度会隆輝【写真:町田利衣】

昨季のDeNA1、2番打者の打率&出塁率はリーグワーストだった

 DeNAは昨年、74勝66敗3分けで3位。2年連続Aクラスを確保したが、優勝した阪神に12ゲーム差を付けられた。打撃成績を見ると、両球団で大きな差が生じているデータがある。日米通算23年、通算906試合に登板した野球評論家の五十嵐亮太氏によると、ドラフト1位ルーキーの度会隆輝外野手は、その差を埋める存在になり得るという。

 昨年のDeNAのチーム打率はリーグ2位の.247だった。だが、1、2番打者の成績を見ると、1番の打率.221、出塁率.287、2番の打率.216、出塁率.268はいずれもリーグ最下位の数字だ。

 1番でのスタメンは佐野恵太外野手の66試合が最多で、関根大気外野手の30試合、桑原将志外野手の16試合、大田泰示外野手の13試合と続く。2番のスタメンは関根の53試合、桑原の34試合、京田陽太の20試合の順。固定できないのが現状だった。

 一方、阪神は1番の打率.277、出塁率.371はいずれもリーグトップ。2番の打率.284、出塁率.350はともに2位だった。こちらは1番が近本光司外野手、2番が中野拓夢内野手でほぼ固定。大きな違いがあった。「1、2番の打率、出塁率が高いと、中軸がチャンスで打席に立つ機会が多くなり、攻撃に動きが出てきます。投手にもプレッシャーを与えられます」と五十嵐氏は語る。

ドラ1ルーキー度会は「実戦で起用しながら成長させてほしい素材」

 その候補に五十嵐氏が挙げるのが、注目ルーキーの度会。沖縄・宜野湾での春季キャンプを視察し、「フリー打撃で逆風の中でも柵越えするなど、長打力があるのが魅力です」と評価する。

「まだ粗削りな面があり、柔らかい打撃ができるようになるかが課題」としつつ、あらゆる面で伸びしろがあると絶賛する。石井琢朗チーフ打撃兼走塁兼一塁ベースコーチによると、キャンプ期間中は課題を修正することなどはせず、伸び伸びプレーさせる方針だという。走力も備えており、「実戦で起用しながら成長させてほしい素材です」と期待を寄せる。

 今季はタイラー・オースティン外野手が一塁を務める見込み。外野は左翼が佐野、中堅が桑原か関根、右翼を度会らが争う構図となりそうだが、「度会選手が1、2番を打つようになると、DeNAの攻撃自体が変わってくるのではないでしょうか」と占う。21歳がチームに変化をもたらすか、注目される。

(Full-Count編集部)

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