なぜ侍ジャパンに大学生4人? 井端監督が明かす構想…見据える26年WBCの“その先”

記者会見に臨んだ侍ジャパン・井端弘和監督【写真:徳原隆元】
記者会見に臨んだ侍ジャパン・井端弘和監督【写真:徳原隆元】

3月の欧州代表戦に明大・宗山ら大学生4人が選出

 2026年のWBCだけではなく、その先を見据えていた。「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ 2024 日本 vs 欧州代表」(3月6日、7日、京セラドーム)に出場する野球日本代表「侍ジャパン」の28選手が14日に発表された。トップチームに大学生が選出されるのは初。井端弘和監督が理由を明かした。

 14日に都内で行われた会見で、井端監督が発表したメンバーには、ヤクルト・村上宗隆内野手、ソフトバンク・近藤健介外野手ら侍ジャパン常連の選手だけではなく、関大・金丸夢斗投手、愛工大・中村優斗投手、明大・宗山塁内野手、青学大・西川史礁外野手の4人の大学生が選出された。

 4人とも、今秋のドラフト候補として名前が挙がっている。井端監督も「ドラフトで(プロに)入ってくる選手で間違いないかなと思いますし、入ってきてもすぐに侍ジャパンに入れるだけの力は持っているのかなと思います」と期待する。続けて「その先のWBCだったり、オリンピックだったりを見据えてというところでは、学生の間に一度(トップチームの)ユニホームを着るのもプラスかなと思いました」と明かす。

 昨年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、若手の活躍が目立った。史上最年少20歳で選出された中日・高橋宏斗投手や、ロッテ・佐々木朗希投手、オリックス・宮城大弥投手らが躍動。決勝戦ではエンゼルスのマイク・トラウト外野手ら米国代表の強力打線を2点に抑え、世界一に輝いた。

2026年には第6回WBCが開催、2028年には五輪で復活「必ず日本を背負って立ってくれる」

 2026年には第6回WBCが開催され、2028年のロス五輪では野球・ソフトボール競技の復活が決まった。五輪にメジャーリーガーを派遣することも検討されている。2028年には宗山ら大学生は26歳のシーズン。「彼らは必ず日本を背負って立ってくれると信じて選出しました」。大舞台で力を発揮するためにも、早めに経験を積ませたいという井端監督の思いが見える。

 昨秋の「カーネクスト アジチャン」では、同年1軍登板5試合の日本ハム・根本悠楓投手を選出した。年間通じて様々なカテゴリーを視察し「趣味です。趣味と言うか……。今後、何年後か(侍ジャパンに)入ってきそう、入ってきてもおかしくない年齢だと思うんでね。先々見ておけば、すんなり呼べるのかなっていうのが、自分の中である」と話していた。

 今大会でも大学生や根本だけでなく、1軍でわずか10試合しか出場していない広島・田村俊介外野手が“サプライズ選出”された。近年はドジャース・大谷翔平投手らが世界で活躍しているが、彼らに頼り続けるわけにはいかない。勝利を求めながら、世代交代も推進。選出された28人を見てみると、井端監督が見据える2年後、4年後の侍ジャパンが浮かび上がってくる。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY