新庄監督が掛けた重圧 投球練習中にいきなり…元ドラ1も驚いた“突然の指令”

練習試合に先発した日本ハム・上原健太【写真:町田利衣】
練習試合に先発した日本ハム・上原健太【写真:町田利衣】

3回完璧投球の上原は3回の投球練習中に新庄監督から声を掛けられた

 日本ハムの上原健太投手が15日、宜野湾で行われたDeNAとの練習試合に先発して3回パーフェクト投球を披露した。「マジでプレッシャーかかりました」と振り返ったのが、3回のマウンドに上がって投球練習をしていた時のこと。新庄剛志監督から「初球ストライクね」という言葉が飛んできた。

「わざわざベンチ前から言われました。昨年も一昨年も同じですけど、試合中に直接、もうイニングが始まるというところで声をかけられたのは初めてだったので……」

 上原が「分かりました」と答えて投じた初球は見逃しストライク。「ど真ん中でストライク取れてヨシヨシみたいな……」と左腕もニンマリだった。

 新庄監督は言う。「初球、バッターはぼやーっとした感じで待つから。初球から変な球を打ったらイメージも悪いし、上原くんの球質からいったらズドンという感じで来る。で、あの初球のチェンジアップとか、あれは手を出さない。あれを初球から投げてくれたら俺はめちゃくちゃうれしい」。

 制球力が課題ともいえる左腕は「良くても悪くても、ファーストストライクを取って四球を出さずに打ち取っていくことがシーズンを通してできないと」と先を見据えるが、この日も無四球は大きい。

 チームの左腕は加藤貴、FA加入した山崎、成長株の根本ら群雄割拠だ。「先輩2人にないスタイルを、これから確立していけたらいい。年下からは根本だったり、勢いのある投手がどんどん出てきているので、抜かされないように。抜かされたらもう1軍で投げる場所はないと思うので、そういうつもりで、根本のことは意識しています」とライバル意識を隠すことはなかった。

 2015年ドラフト1位で入団し、迎えたプロ9年目。背水の思いを胸に、課題と向き合っていく。

(町田利衣 / Rie Machida)

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