無念の怪我…診断直後に鳴らした携帯 27歳“大砲候補”を救った鈴木誠也の言葉

広島・末包昇大【写真:中戸川知世】
広島・末包昇大【写真:中戸川知世】

広島・末包昇大はキャンプ直前に左膝内側半月板を損傷…リハビリに励む日々

 怪我のため1軍メンバーを外れた広島の末包昇大外野手が、宮崎・日南キャンプでリハビリに励んでいる。キャンプ直前に左膝を痛め左膝内側半月板損傷と診断。開幕前の1軍合流を目指し「できることをやっていきたい」と強い決意を示した。

 プロ3年目の末包は身長188センチ、体重112キロの右のスラッガー。昨季は65試合に出場して11本塁打をマークするなど、FA権を行使してオリックスに移籍した西川龍馬外野手の穴を埋める存在として期待も高かった。

 キャンプも順当に1軍メンバー入り。レギュラー奪取に向けてどう首脳陣にアピールしていくか、そう考えていた矢先のアクシデントだった。並々ならぬ決意を持って臨んだ勝負の1年だっただけに、診断を受けた時の落ち込みは激しかった。先の見えない不安に陥った末包が頼ったのは、MLBで活躍するカープの“先輩”だった。

「怪我してすぐに(鈴木)誠也さんに電話をしました。『すみません、怪我しました……』と伝えると、『絶対にプラスになる時間だと思うからしっかりできることをやろう』と言ってもらいました」

開幕1軍を諦めずに調整「沈んでいる時間はない」

 カブスの鈴木誠也外野手は昨年、怪我でWBCを辞退。シーズン開幕にも間に合わなかっただけに、末包の抱く悔しさが痛いほど分かったのかもしれない。「怪我くらいで沈んでいる時間はないと思いました」。鈴木の言葉は揺れていた末包の気持ちを前に向かせた。

 キャンプは別メニュー調整が続くも、この時間をプラスに捉えている。「もちろん焦りますが、できないことを嘆いても仕方ありません。怪我をしなかったらできなかったトレーニングができているので良い時間になっていると思います」。

 今季掲げていた目標は、100試合以上出場してレギュラーを奪うこと、20本塁打以上を打つこと。「バッティングとキャッチボールはほぼ問題なくできています。シーズン中の怪我でなかったことをプラスに考えて、開幕に向けてできることをやっていきたいと思います」。末包は開幕前の合流をまだ諦めてはいない。

 1軍が沖縄キャンプに出発したあと、天福球場の屋内練習場には、迎祐一郎3軍野手総合コーチの投げる球を黙々と打ち返す末包の姿があった。練習がマンネリ化しないようにかけていたBGMを末包が急に変えた。聞こえてきたのは、カープ応援団が奏でるチャンステーマ。1日でも早くあの舞台へ。怪我と向き合う時間は、27歳の大砲候補をひと回り成長させてくれるに違いない。

(真田一平 / Ippei Sanada)

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