吉田輝星の“相棒”は「自分しかいない」 トレードの孤独を拭った先輩…同郷が生んだ縁

オリックス・小木田敦也【写真:荒川祐史】
オリックス・小木田敦也【写真:荒川祐史】

オリックス・小木田敦也のスタンスは「何かあったら聞いてね」

 新環境に飛び込んできた“後輩”を、そっと見守っている。オリックスの小木田敦也投手が、日本ハムからトレード移籍してきた吉田輝星投手を可愛がっている。プロ3年目を迎えた25歳右腕は「同じ秋田県民というのもありますし、(2学年)後輩というのもあります」と、秋田の星に寄り添っている。

 今オフにトレードが決まり、同じユニホームを着ることになった。「まだ僕がTDK(所属)だった頃のオフに、輝星が室内練習場でトレーニングをしていて、元々少しだけ面識はありました」。距離感は程よく「何かあったら聞いてね、という感じです」と微笑む。

 宮崎で行われている春季キャンプでは、キャッチボール相手も務める。「初日にキャッチボール相手がいないと言っていたので『一緒にしよう』と。最近は毎日ペアですね」。息ピッタリの練習相手になってきた。

「輝星は、縁もあってオリックスに入ってきてくれた。(新天地で)最初は誰もが不安だと思う。知らない環境に突然、自分が入るので。(日本ハムで)チームが一緒だった(石川)亮さんもいますけど、やっぱり1番関わるのは投手だと思うので『自分しかいない』かなと。そこまで声を掛けるわけでもないですけど、できるだけ近くに居るようにはしています」

 キャンプ休日には同郷の杉澤龍外野手も誘ってゴルフにも出掛けた。「楽しいですよ。感覚が合うというか、会話の流れもわかるので」。3人の地元は極めて近いわけではないが“秋田トーク”で盛り上がることもある。

「吉田輝星を、秋田県民じゃあ知らない人はいないですよ。でも、今、僕がそこに気を遣わなくてもいいんでしょうけど、最初だけは気を遣ってもいいのかなと思いました。一緒に物事を進めていこうかなと考えていましたね。でも、同学年でご飯にも行っていたので、もう不安はないかなと思います」

 故郷が生んだ温もりに、ホッとさせられる。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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