中日は中田翔を生かせるのか? 貧打解消へ…専門家が指摘する「前後の打者」

中日・中田翔【写真:小林靖】
中日・中田翔【写真:小林靖】

3度の打点王に輝いた中田は出場機会を求め中日移籍、24日のOP戦に出場予定

 2年連続最下位に沈んだ中日に今年は頼もしい新戦力が加わった。3度の打点王に輝いた34歳のベテラン・中田翔内野手。新天地での春季キャンプも順調に消化し、23日・広島とのオープン戦に出場する見込み。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家の野口寿浩氏は「中田を生かすも殺すも前後の打者次第」と口にする。

 中日は22日に沖縄・北谷1軍キャンプを打ち上げた。24日から始まるオープン戦に向け最終調整を行った中田はフリー打撃で快音を響かせていた。右方向にも丁寧に打ち込む姿に野口氏は「体の軸もしっかりしていた、足の力も加わった打撃ができている。いい調整ができたのではないでしょうか」と評価した。

 出場機会を求めて巨人を退団し、選んだ先は得点力不足に悩むセ・リーグ最下位の中日。リーグ屈指の投手力を誇るもチーム本塁打71本、390得点はリーグ最下位と課題は明確だ。待望の大砲を獲得したことで、得点力不足は解消されるのか。

「これまで、ここぞという場面で打点を稼いできた選手。もちろん、本塁打も期待できるが、広いバンテリンドームで無理やり狙っていく必要はない。年齢(今年4月で35歳)を重ねると体のあちこちを痛めるのは仕方のないこと。どっしり4番として構えてくれるのが一番、理想なのではないでしょうか」

 ただ、一人の力だけでチームを大幅に変化させることは難しいと見ている。

岡林、大島の理想的な1、2番も「中田が勝負を避けられる可能性」

 中田の実績、現在の状態は評価しつつも「ある程度、打つのは分かっていること。打点をあげるためには走者が必要。1~3番の出塁がカギを握る。中田を生かすこと、中田に仕事をさせることを考えないといけない」と指摘。昨季、2年連続で160安打を放った岡林、12年連続で規定打席をクリアし打率.289をマークしたベテラン・大島が上位を打つ可能性は高い。

 ただ、問題は中田を挟む3番と5番。現状はチームトップの24本塁打を放った細川を候補に挙げるが「中田が状態を上げシーズンをスタートできれば確実に勝負を避けられる。そうなると5番打者の存在が、中田以上に大切になる。細川を5番に置くなら3番は誰か? 今は確実に任せられる選手がいないように見えます」と、もう1人ポイントゲッターが必要と見ている。

 先発陣は小笠原、柳、高橋宏の3枚にベテランの涌井、怪我から復帰した大野、梅津らが揃うだけに、昨季以上の投手力になる可能性は高い。援護なく生まれた“10敗カルテット”が、今年は勝敗が逆になることを祈るばかり。

 3年目を迎えた立浪政権は今年が勝負の年。覚悟を持ったシーズンになる。中田、中島らを補強し生まれ変わった姿を見せたいところ。野口氏は「中田が3桁(100打点)を叩き出すようなチーム力があれば、一気にAクラスを狙える可能性はあります」と、期待を込めていた。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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