広島逸材が2軍で見せていた“飛躍の兆し” 井端監督も絶賛…2年目で堂々の「3.33」

広島・田村俊介【写真:小池義弘】
広島・田村俊介【写真:小池義弘】

広島の20歳・田村、2年目の昨季はプロのスピードボールにも対応

 広島の高卒3年目・田村俊介外野手に大きな注目が集まっている。1軍での出場は昨季の10試合だけだが、今年3月に行われる「カーネクスト 侍ジャパンシリーズ 2024 日本vs欧州代表」に出場する日本代表に選出された。井端弘和監督も高く評価する若き大砲を、データ面から見ていきたい。

 田村は2021年ドラフト4位で愛工大名電高から入団。左投げ左打ちの外野手で、ルーキーイヤーは2軍で打率.185、0本塁打11打点だった。昨年は開幕1軍を掴むも、結局10試合の出場で打率は.364、0本0打点。2軍では59試合で打率.278、4本29打点だった。

 セイバーメトリクスを用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、2軍で200打席以上立った打者の中でストレート100球当たりに対する得点増減「wFA/C」が4位の3.33、2シーム100球当たりに対する得点増減「wFT/C」が「5.67」で同13位と高く、2軍とはいえプロのスピードに対応できていたことが分かる。

 一昨年は「wFA/C」が0.16、「wFT/C」は-6.75と低かったが、昨年は数値が上昇。「wFA/C」のランキングでは西川遥輝外野手、長谷川信哉外野手、呉念庭内野手といった1軍の試合にも出場する選手たちに次いで、高卒2年目の田村が堂々のランクインとなった。

 井端監督は田村選出の理由について「昨年広島カープさんと練習試合させてもらって彼のスイングというのは素晴らしいものがありましたので。一度見てみたいということで今回選びましたけど、レギュラーシーズン次第では日本を代表するバッターになると思います」と素材を高く評価していた。

 17日のロッテとの練習試合では「4番・右翼」で出場し、初回に右翼へ先制2ラン。侍で経験を積み、今季は飛躍の年となるだろうか。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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