広島21歳は「最高の掘り出し物」 専門家が絶賛…また育つ逸材、見えた確実な成長

広島・二俣翔一【写真:小池義弘】
広島・二俣翔一【写真:小池義弘】

昨季ウエスタン・リーグで最多安打のタイトルを獲得した広島・二俣翔一

 広島の4年目21歳、二俣翔一内野手が、1軍生き残りをかけ猛アピールを続けている。オープン戦を含めここまで4試合連続安打を放つなど、打撃で非凡な才能を発揮。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家の野口寿浩氏は「今キャンプ、最高の掘り出し物だと思う」と、ブレーク候補の1人として名前を挙げた。

 二俣は2020年の育成ドラフト1位で磐田東高から広島に入団。2022年に捕手から内野手にコンバートされ、主に三塁手としてウエスタ・リーグで62試合に出場。同年オフに支配下登録を勝ち取り、昨年は二塁、遊撃、外野と多彩なポジションをこなし、リーグ最多の94安打をマークした。

 今キャンプでは内野手として調整を続けるホープに野口氏は「純粋に守備の動きはいい。捕手出身ということで肩は強烈なものを持っている。打撃も癖のないフォームで積極性もあり、変化球の対応もいい。昨年は2軍で最多安打を記録しているが、まぐれでそれだけのヒットは打てない」と評価する。

 広島の内野陣を見ると小園海斗、菊池涼介、田中広輔、矢野雅哉、堂林翔太らに、新助っ人のジェイク・シャイナー、マット・レイノルズとレギュラー争いは熾烈だ。1軍実績のない二俣が開幕1軍入りを果たすには、何よりも結果が求められる。順調にアピールを続ける姿に「今年はチャンスだと思います。右の内野手、三塁手は保険が少ない。助っ人もシーズンに入らなければ分からない部分もある。最高の控えとして任せられる可能性はあります」。

 チームは昨年、リーグ2位に躍進。オフに主力だった西川龍馬外野手がオリックスへFA移籍したが、生きのいい若手が台頭している。二俣の他にも高卒3年目で侍ジャパンにも選出された田村俊介、2年目の久保修両外野手らがレギュラー争いを繰り広げている。

「2軍でみっちり練習、実戦を積み、若手が育つ環境が広島にはある。リーグ3連覇の時は田中広輔、菊池涼介、丸佳浩、鈴木誠也ら若手が一気に力を付けた。そこと比べることはできないが、いい若手が育ってきています。今、期待されているのが田村なら、掘り出し物は二俣。確実に階段を上り成長していると思います」

 新井監督も期待を寄せる背番号「99」。開幕1軍に向けアピールを続けていく。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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