大谷翔平から異次元HRが生まれる理由 通算215発大砲が指摘する“特異能力”とは

ドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
ドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

内角153キロを逆方向へ…通算215発ムスタカスも称賛「ものすごい強打だった」

 ドジャース・大谷翔平投手は27日(日本時間28日)、米アリゾナ州グレンデールで行われたホワイトソックスとのオープン戦で移籍後初本塁打をマークした。5回の第3打席に左越え1号ソロ。右腕ドミニク・リオンの内角95マイル(約153キロ)に対して両腕をたたんで逆方向へ打ち返した。一夜明けた28日(同29日)、敵軍の元チームメートたちは大谷が放った移籍1号の凄さを語ってくれた。

「ものすごい強打だった。こんなことをできる選手は少ない。特別な選手だ」。こう評したのは、通算215本塁打を誇るホワイトソックスのマイク・ムスタカス内野手だ。昨年6月にロッキーズからエンゼルスへ移籍。シーズン20発以上を6度記録した35歳は、大谷の打撃技術を絶賛した。

「スイングの全てに理由がある。常に打てる体勢を作ることができるんだ。もちろん体格が大きいし、バットスイングも速いけど、常に打てる体勢になることができる。内角の速球でも外のスライダーでも、ボールを破壊する体勢にいる。このレベルでそれができることのは、特別な才能だ」

 もちろん才能だけではない。ムスタカスが繰り返す「特別な才能」は豊富な練習量と準備に裏打ちされたものだ。

「ケージや試合前練習が表れた結果だ。多くの人は彼のやることを見ることができないけど、練習量は凄まじいんだ。一緒にプレーできたこともそうだけど、練習を見られたのは特別なことだ。対戦相手を予習したり、スイングを調整したりして、毎試合素晴らしい準備をしていた。最高の選手が常に予習しているのはクールなことだ」

 2011年にメジャーデビューし、2015年ロイヤルズのワールドシリーズ制覇に貢献。13年間プレーしてきた左の長距離砲の言葉には説得力がある。

 移籍後初本塁打を献上した右腕リオンには驚きでしかなかった。「バットの芯から外れていたので、入るとは思わなかった。でも入ったね」と笑うしかなかった。「ショウヘイは素晴らしい選手だから、特に驚くことはない。ボールをバレルして、いいスイングをしたと思う」。通算404試合登板を誇るリリーバーも衝撃を受けていた。

 ムスタカス、リオン共に昨季はエンゼルスでプレーし、大谷と接してきた。27日(同28日)の試合前にウオーミングアップ中に挨拶のハグを交わしたムスタカスは、「会えてよかった。ショウヘイのことは好きだし、ドジャース、そして野球界で成し遂げてくれることを本当に楽しみにしている。挨拶をしに行ったけど、本当にいい奴だ」と話した。敵味方関係なく、ユニコーンの躍動を心待ちにしているようだ。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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