膝手術で諦めかけた夢「ダンス人生終わった」 届いた1本の電話…西武チアが流した涙

「bluelegends(ブルーレジェンズ)」の新メンバー、Shinonさん(左)とKotonoさん【写真:湯浅大】
「bluelegends(ブルーレジェンズ)」の新メンバー、Shinonさん(左)とKotonoさん【写真:湯浅大】

Kotonoは3か国語を操るトリリンガル…バイト終わりの合否着信に「やばい、来た!」

 西武の球団公式パフォーマンスチーム「bluelegends(ブルーレジェンズ)」は、新たに7人のメンバーが加わった総勢17人で2024シーズンを迎える。新メンバーのShinon、Kotonoが合格までの紆余曲折を振り返り、「日々進化したパフォーマンスをお見せしたい」などと意気込みを語った。

 幼少期の10年以上をオランダで過ごし、さらに韓国への1年間の留学経験もある語学堪能なKotonoは「ファンとの距離が近くて、一緒にステージを作り上げている印象」があったというbluelegendsに魅了され、オーディションに応募した。

 順風満帆ではなかった。学生時代に左膝の手術を受けた。「これはもう踊れないのかな。ダンス人生終わったかな」。落ち込んだ時期もあったが「また踊りたい」という夢を簡単には諦めきれず、約1年間の地道なリハビリに励んで“復活”。現在は運動に支障はないという。

 ブランクを取り返すために基礎練習、筋力トレーニングを積み、オーディションへのラスト1か月はほぼ毎日ジムに通った。体重を約3キロ絞り、パフォーマンスの質を向上させた。

 最終オーディション後のアルバイト終わりの帰り道、スマホが鳴った。「やばい、来た!」。思わず立ちすくんだ。しかし、そこは道の真ん中。「これもやばい!」と慌てて端に移動し、電話の声に耳を傾けた。「bluelegends 2024のメンバーとして、よろしくお願いします」。再び立ち尽くした「受け入れるのに時間がかかって、薄いリアクションだったと思います」。帰って両親に伝えると、ようやく実感し涙が溢れてきた。

Shinonはオーディションで落選続いたが「諦めないでチャレンジ」

 母がダンスのインストラクターを務めるなどダンサー血筋のShinonは、ダンサーとして仕事をすることを目指し、チアに限らず数々のオーディションを受ける日々。なかでもbluelegendsは「動画で見たときに生き生きしていた。憧れて入りたいと思っていました」。

「テーマパーク系のオーディションもたくさん受けました。それでも最終選考まで行けなくて、2次まででした。受かるかなと思って落ちるとすごくダメージが大きくて」

 心が折れかけることは何度もあったが「諦めないでチャレンジすることを目標としていました。どんなにダンスが上手でも、それだけではダメ。大人数の中でも、先生の目をどれだけ引けるのか、オーラを出せるように考えて練習していました」。

 日々のレッスンから自然と目立てるように自身を磨いた。そしてたどり着いたbluelegendsの最終選考。今の自分にできる表現を思い切って発揮した。合否はダンスの先生たちと一緒に確認した。

 緊張のメール開封。画面に見えた「合格」の2文字。「その場で『やったー!』って叫びました。先生方も私の進路を心配してくださっていたので、すごくホッとしてくださっていて。嬉しかったです」。

 新たな道を切り開き、掴んだbluelegendsのメンバー入り。Kotonoは「シーズンを通して昨日より今日、今日より明日と日々進化させたパフォーマンスをお見せできるように頑張ります!」と、満面の笑みを浮かべながら右手でガッツポーズを作った。

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