中田翔加入で…決着する“立浪政権の懸案” 専門家も期待「上位進出の可能性も」

中日・中田翔【写真:小林靖】
中日・中田翔【写真:小林靖】

打線が活性化すれば…二遊間の選手は「それほど打てなくてもいい」

 2024年のプロ野球もキャンプが終わり、各球団とも3月29日の開幕に向けて仕上げの段階に入る。阪神が球団初の連覇を目指すセ・リーグは、どんな展開になるだろうか。ヤクルト、楽天で計20年の現役生活を送り、ゴールデングラブ賞を7度受賞、通算1248安打をマークした野球評論家の飯田哲也氏は、2年連続最下位に沈む中日をダークホースに挙げた。

 低迷が続く中日の課題は、打撃力。昨年の総得点390、チーム打率.234、71本塁打はいずれもリーグ最下位だった。本拠地が、広いバンテリンドームとはいえ、寂しい数字が並ぶ。しかし、今季は3度の打点王を誇る中田翔内野手が加入。飯田氏は「柱ができたのは大きい。投手力がいいので上位進出の可能性もあると思います」と語る。

 もう1つ大きな課題として挙げられているのが二遊間だ。立浪和義監督が就任後、それまでレギュラーだった京田陽太内野手(DeNA)、阿部寿樹内野手(楽天)を放出するなどして若手の台頭を促しているが、固定できるまでに至っていない。

 昨年の二塁の先発出場は福永裕基の65試合を筆頭に、村松開人の48試合、龍空の15試合、高橋周平の7試合。遊撃は龍空の81試合、オルランド・カリステの31試合、村松の27試合と続いた。今季は更にドラフト2位で津田啓史、同3位で辻本倫太郎、育成のクリスチャン・ロドリゲス、阪神を戦力外となった山本泰寛が加入。1年目の昨季は怪我に泣いた田中幹也も復帰した。大激戦の様相となっている。

 飯田氏は、ここでも“中田効果”が現われると見ている。「二遊間はまず守備。他のポジションの選手が打っていれば、それほど打てなくてもいいんです。他のポジションの選手が打てないから、誰か打てる選手がいないかとなるんです」と説明する。

 つまり、チーム全体の打力が高ければ、二遊間の選手は打撃に目をつぶってもらえるが、そんな余裕が中日にはなかったと指摘。しかし、中田の加入などで打線全体が活性化すれば事情は変わってくるという。「二遊間は守備からレギュラーを取るのがパターン。チームがうまく回ればそういう形になっていくのではないでしょうか」。

 中田は「4番・一塁」で先発出場した2日のヤクルトとのオープン戦(バンテリンドーム)で、移籍後初安打を放った。打線が活性化すればチームも落ち着き、懸案事項も解消されると飯田氏は見る。立浪政権3年目の今季、中日はどんな戦いを見せてくれるだろうか。

(Full-Count編集部)

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