震えた手、まさかの報にパニック「頭真っ白」 忘れられない藤浪晋太郎からの言葉

服部優陽アナウンサー(左)とオリオールズ時代の藤浪晋太郎【写真提供:関西テレビ服部優陽アナウンサー】
服部優陽アナウンサー(左)とオリオールズ時代の藤浪晋太郎【写真提供:関西テレビ服部優陽アナウンサー】

藤浪晋太郎に“密着”の服部アナ…電撃トレードに「家どうやって探すんだ?」

 1通のLINEに、手を震わせるしかなかった。オリオールズからフリーエージェント(FA)となり、2月14日(日本時間15日)にメッツと正式契約を交わした藤浪晋太郎投手。阪神在籍時から親交の深い関西テレビの服部優陽アナウンサーは、本業を“休職”してメジャー1年目の昨季の躍動を見届けた。

 昨年7月19日(同20日)のレッドソックス戦をスタンドから見届けた服部アナは、帰路に就こうとしていた。「夜ご飯に行こうと約束していた日だったので、1回家に電車で帰って、着替えてから(待ち合わせの)焼き鳥屋さんに行こうかなと思って、プラットホームで電車を待っていました」。突然、1行のメッセージが飛び込んできた。

「トレードになった。ボルチモア」

 仕事を“休職”して藤浪を追っていた。異国の地で、住む場所が変わる現実に「もう本当、頭が真っ白になりましたよ。ボルチモアってどこ? 何からやればいいんだ? 引っ越しってどうやってやるんだろう? 家ってどうやって探すんだ? とりあえず今日のご飯会ってあるの?」とアタフタした。

 数分後、日本でも藤浪の電撃トレードが報道され「いろんな連絡が来ましたけど、それどころではなかったです。返事する余裕が全くなかった」と振り返る。まだ住み慣れていない西海岸から離れることが決まった。「そもそも、ボルチモアってどんな街? ってパニックになっていました」。藤浪や通訳、トレーナーは翌日に移動したが、服部アナは“一時残留”。藤浪が住んでいた家の「退去」などを任され、その後すぐにボルチモアに移動した。

 衝撃の1年を過ごし「こんなにワクワクする冒険(他に)なくない? よかったじゃん」と藤浪から言葉を掛けられた。服部アナも深く頷き「預金残高を見た時に、少しだけ後悔しましたけどね(笑)。でも、行って良かったと思っています」と目を細める。

 2023年4月上旬から11月までの“自己都合休職”を終え、会社に戻った。「まず、やっぱり僕が(周囲に)迷惑をかけてるのは間違いない。『良い経験できたね』と言ってくださって、本当に温かいです」と感謝を忘れない。帰国後、藤浪と話し込んだわけではないが、印象に残った言葉がある。「ワクワクしたっしょ?」。決断を下して飛び込んだ“旅”は、無事に終結したのだった。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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