大谷翔平は韓国で大人気も…客席ガラガラの謎 韓国人記者の嘆き「チケット高すぎる」

キウム戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】
キウム戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】

1万6833人しか収容できない高尺スカイドームも満員にならず…

■ドジャース 14ー3 キウム(日本時間17日・高尺スカイドーム)

 わずか1万6833人しか収容できない高尺スカイドーム。ドジャース・大谷翔平投手の韓国初戦となる17日の韓国プロ野球・キウムとの親善試合は超満員に違いないと思っていたが、決してそんなことはなかった。一番の注目だったであろう大谷の打席でも内・外野席ともに空席が目立った。ユニコーンは4回1死で途中交代となったが、客席はシーンとしていた。

 なぜ、空席が目立ったのか。「チケットが高すぎるからだと思います」。こうボヤいたのは韓国メディア「マイデイリー」のパク・スンファン記者だ。高尺スカイドームは韓国プロ野球・キウムの本拠地。最も高いバックネット裏の1階席で平日5万5000ウォン(約6160円)、週末8万5000円(約9520円)。だが、今回の親善試合はバックネット裏チケットで35万ウォン(約3万9200円)。最も安い外野立ち見席でも6万ウォン(約6720円)となっている。

「韓国では10年ぐらい前に球場に無料で入れた時代がありました。野球はタダで見るものという考えが残っているのかもしれません」

 そして、ドジャースの相手チームだったキウム・ヒーローズは、決して資金力のある球団ではない。中心選手だったキム・ハソン(金河成)内野手(パドレス)、イ・ジョンフ(李政厚)外野手(ジャイアンツ)がメジャー移籍。韓国通算390本塁打を誇るパク・ビョンホ(朴炳鎬)内野手(KT)も2021年オフにチームを去った。

「キウムで見たい選手がいないのに、わざわざ高いチケットを買う必要はないと思ったファンもいるはずです」。20、21日のドジャース-パドレス2連戦のチケットは完売となっているものの、キウムの不人気が親善試合のチケット不買につながったと現地記者は見ている。

 選手にとって超満員のスタジアムでプレーすることは、これ以上ない励みになる。来春は東京ドームでメジャー開幕戦が行われる見通し。メジャー球団を呼ぶにも“お金”がかかることは重々承知しているが、適正な価格はいくらなのか――。改めて議論の必要を感じる1日となった。

※19日13時10分、一部を加筆・修正しました。お詫びして訂正いたします。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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