ドラ1も2年間1軍なし「練習に行くのも嫌」 戦力外に安堵も…トライアウトで得た快感
愛媛マンダリンパイレーツでコーチを務める伊藤隼太氏【写真:喜岡桜】阪神ドラ1・伊藤隼太氏は2020年オフに戦力外…2年間1軍機会がなかった
2011年ドラフト1位で阪神に入団し、現在は独立リーグ・愛媛マンダリンパイレーツで野手コーチを務める伊藤隼太氏は、NPBで9年間を過ごした。1年目には球団で40年ぶりとなる新人外野手で開幕先発出場を果たし、7年目の2018年には1軍でシーズンを初完走。パンチ力のある外野手として猛虎打線を支えた。しかし、2019年シーズン開幕前のオープン戦を最後に1軍出場が途絶えると、プロ生活の“終焉”を意識するようになっていったと明かす。
「最後の2年間、1軍の試合に出ることはありませんでした。結果が出なくなるといろんなことを言われて、それが球場でも上(スタンド)からも聞こえてくるんです。もう野球をしたくなくなって、練習施設に行くことも嫌になりました。阪神を離れた今だから言えますけど、(プロ生活を終えたら)次は何をしようとか、(野球と)違うことをいろいろと考えていました」
四方八方から厳しいヤジを浴びると、プロでも心に傷を負うものだ。復調しづらくもなるだろう。伊藤氏の力強い打棒は鳴りを潜め、2019、2020年の2年間で本塁打は2軍で2本。「いつクビって言われてもおかしくない」と思っていたが、もう焦りはなかった。「(プロ生活を)早く終わりたいと思っていたので、戦力外を言われたときはホッとしました。これで次に行けると。トライアウトも受けるつもりも、野球をするつもりもなかったですから」。
しかし、戦力外になってから2週間後、伊藤氏はトライアウトの受験手続きを済ませた。恩返ししたいと考えたからだ。「2年間(2019、2020年)はずっと1軍で試合に出ることがなかったので、最後くらい親や家族にプレーしているところを見せて、それで終わろう」。万が一、他球団からオファーが届いても断るつもりだった。
合同トライアウトを“記念受験”…2年ぶりの感覚が現役続行の転機
(喜岡桜 / Sakura Kioka)
Restart_伊藤隼太編
ヤジ、誹謗中傷…やりがい失った元阪神ドラ1 窮地から脱出も、苦しかった重圧との闘い
チヤホヤされたドラ1指名…見失った自分 結果残せず心無いヤジ「放っておいてくれ」
“過大評価”に感じたドラ1指名「本当にいいのか」 理解していた実力…苦しんだ視線