ド軍大混乱「イッペイは禁句だ」 血相変える関係者、LA紙は敏腕記者投入…遠い沈静化

ドジャース・大谷翔平(左)と水原一平元通訳【写真:Getty Images】
ドジャース・大谷翔平(左)と水原一平元通訳【写真:Getty Images】

球団関係者は3時間睡眠で現場へ「イッペイはもう禁句だ」

 ドジャースは21日、大谷翔平投手の通訳である水原一平氏との契約を解除したと発表した。米複数メディアが、水原氏が違法賭博に関与した疑いがあると伝えていた。韓国・ソウルの高尺スカイドームで行われたパドレスとの開幕第2戦。ドジャース現場は大混乱だった。試合開始4時間前の午後3時開放されたクラブハウスは報道陣でごった返していた。狙いは一つ、大谷の反応待ちだった。「イッペイはもう禁句だ」。3時間ほどしか睡眠できなかったという球団関係者は血相を変えた。

 違法賭博に手を染めた水原通訳の解雇によって幕引きか。そんな簡単に騒動は収まりそうになさそうだ。今回の騒動をすっぱ抜いたロサンゼルス・タイムズ紙の担当記者の1人が社会部のポール・プリングル氏。同紙のディラン・ヘルナンデス記者によると、「泣く子も黙る辣腕ぶりで、これまで多くの人を牢屋に入れてきた」。過去にはLAタイムズの上司の不正も見抜いてきたエース記者だ。そのプリングル記者が騒動の全容解明に並々ならぬ意欲を燃やしているという。

「これだけでは終わらないでしょうね。バリー・ボンズのバルコ・スキャンダル(薬物使用疑惑)のようになるのではないでしょうか」。ヘルナンデス記者は球界全体の大問題に発展する可能性を指摘した。バルコ・スキャンダルとは栄養補助食品会社バルコがアスリートに検査で検出されない運動能力向上薬物を提供していたとされるスキャンダル。2003年夏に発覚し、次々にアスリートの不正が明るみになり、騒動の決着まで6年以上の時間を要した。

 この日、大谷は「2番・指名打者」で2試合連続出場した。初回に右前打を放つなど5打数1安打1打点。試合後、コメントを求める30人超の報道陣が群がったが、球団関係者2人が徹底ガード。「お疲れ様でした」と4回繰り返して帰路についた。突如として相棒を失ったショックは計り知れない。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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