通訳失うも…評論家が唸った大谷翔平の精神力 変わらぬ顔色は「一流を飛びぬけたもの」

パドレス戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】
パドレス戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:Getty Images】

5打数1安打1打点の活躍で開幕から2試合連続安打、打点をマーク

■パドレス 15ー11 ドジャース(日本時間21日・高尺スカイドーム)

 ドジャースの大谷翔平投手は21日に韓国・ソウルの高尺スカイドームで行われたパドレスとの開幕第2戦に「2番・指名打者」で出場し、5打数1安打1打点の活躍を見せた。試合前には“相棒”の水原一平通訳が解雇になるショッキングなニュースもありながら、自然体で試合に挑んだ。メジャー解説者の新井宏昌氏は「今後に期待ができる2試合だった」と、ソウルシリーズを振り返った。

 両軍合わせて33安打26得点の乱打戦。大谷は1安打1打点ながらも内容のある5打席を見せつけた。初回の第1打席で右前打、続く2回1死二、三塁の第2打席では右犠飛を放ち2試合連続打点をマーク。その後は無安打に終わったが、第4打席は右直、松井とのメジャー初対決となった第5打席は特大の右飛と状態の良さを感じさせた。

 本塁打こそ出なかったが、開幕戦から2試合連続で安打と打点をマーク。初対戦の投手にもしっかりアジャストする姿に新井氏は「紙一重という打席が多かった。初球から積極的に強いスイングができている。ためらうことなくバットが出ており、状態の良さを感じさせた」と、評価する。

 凡打でも強烈なゴロを放ち、フライアウトも角度がついた打球を飛ばす。今季からパドレスに加入した左腕・松井との対決では初球のスプリットを迷うことなく強振。「低めに落ちる変化球にも体勢が崩れることなく振り切れる。技術もそうだが、気持ちの面でも充実しているように感じる」。新天地で幸先の良いスタートを切ったといってもいいだろう。

 精神面の強さも見せつけた1日だった。この日の朝には複数の米メディアが、通訳の水原氏が違法賭博に関与した疑いがあると報じ、球団も契約を解除することを発表。通訳だけでなく私生活でも二人三脚で歩んできた“相棒”を失ったことでメンタル面を心配されたが、普段と変わらず試合に出場し結果を残した。

 これまでコーチ時代を含め数多くの選手を見てきた新井氏は「いつもと変わらずやろうとしても、どこかで違う雰囲気を感じたりするもの。体の動きや打席の違いは、多くの人が出てしまう。大谷は普段通りにプレーし、降板した山本にもベンチで話しかけるなど何も変わらない。一流アスリートの中でも飛びぬけた精神力。凄いとしかいいようがない」と、称えるしかなかった。

 予想外のアクシデントにも、顔色一つ変えずプレーし続ける大谷。「状態は間違いないく良い。いいスタートが切れたのではないでしょうか」と新井氏。韓国での開幕シリーズを1勝1敗で終え、ドジャースの次戦は日本時間25日、エンゼルス戦に臨む。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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