「悲しかった」DeNA退団の真相激白 孤独との戦い…大物助っ人が受け入れた“現実”

取材に応じた、巨人やDeNAで活躍したホセ・ロペス氏(写真はスクリーンショット)
取材に応じた、巨人やDeNAで活躍したホセ・ロペス氏(写真はスクリーンショット)

巨人、DeNAでプレーしたロペス氏「最後に家族の前で野球をしたかった」

 巨人、DeNAでNPB計8年間プレーしたホセ・ロペス氏は、2020年限りでDeNAを構想外となり退団し、日本を去った。出場数が減っていたとはいえ、勝負強い打撃と一塁の守備力は健在だった中での通告。Full-Countのインタビューに応じ、「凄く悲しかった」という退団の真相と「唯一の心残り」を激白した。

 2017年には打点王と最多安打に輝いたロペス氏は、コロナ禍により120試合制となった2020年、81試合に出場して打率.246、いずれも来日ワーストとなる12本塁打、42打点という成績だった。

 待っていたのは、翌年の構想から外れたという現実。「契約されないって言われたときは凄く悲しかったし、寂しい気持ちもありました。個人的にはもう1年、もしくは2年、日本に残って、特に横浜に残ってプレーしたかったし、自分でもまだできると思っていましたから……」。またこの年はコロナ禍により家族の来日は叶わず、孤独な戦いだったこともあり「最後に家族の前で野球をしたかったというのもあったので、悲しかったです」と心境を吐露した。

 とはいえ、契約の世界であることは十分に分かっていた。「これも野球の一部というか、ビジネス。新しい人が入って古い人が抜けていくのは自然な流れではあると思います」と受け入れるしかなかった。

「横浜での思い出は1つに絞れないくらい、毎日楽しかったです」

 2013年に来日して巨人で2年間を過ごした。リーグ連覇を味わい「凄く楽しかった」というが「それよりも横浜にいた頃の方が楽しかった」というほど、DeNA時代は充実した毎日だった。

「横浜での思い出は1つに絞れないくらい、毎日楽しかったです。自分自身も楽しかったし、チームメートもチームの人たちもいい人ばかりで、みんなで楽しんでいた。ロッカーで音楽をかけて盛り上げたり、勝っているときはもちろん、負けていてもみんなで悔しさを分け合って、次の日には前を向いてやるという引きずらない良さもあった。横浜の街全体で、ファンの皆さんが盛り上げてくれたので、ファンの人たちにも楽しませてもらいました」

 2017年には打点王と最多安打の2冠に輝き、リーグ3位から日本シリーズ進出の立役者となった。NPB通算993試合で打率.274、1001安打、198本塁打、588打点。ベストナインや計5度のゴールデングラブ賞など、輝かしい功績を残した。

 2021年は母国ベネズエラでウインターリーグに参加し、2022年10月に現役引退を発表。「やり残したことはなかった」と話すロペス氏が「唯一の心残り」と悔やむことがある。「日本でやる場所がなくなったときに、ファンの皆さんの前であいさつができなかった。日本を離れるときもそうですし、引退してからもそう。日本のファンの皆さんにしっかりあいさつしたかった」。

 2020年の秋に離日してから、一度も日本に降り立っていない。「また戻りたい。みなとみらいにお気に入りのイタリアンがあってそこに行きたいし、大好きな焼肉も食べたいよ」と願うロペス氏。「唯一の心残り」を解消する日を、ファンもきっと待っている。

(町田利衣 / Rie Machida)

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