白井審判と激突「ごめん!」 “当事者”明かす真相…交錯プレーで生まれた連帯感

オリックス・宜保翔【写真:矢口亨】
オリックス・宜保翔【写真:矢口亨】

オリックス・宜保、審判と衝突も「お互いに精一杯のプレーだった」

 アクシデント発生も“気遣い”で乗り越えた。オリックス・宜保翔内野手は3日に京セラドームで行われたDeNAとのオープン戦で、8回のプレー中に二塁塁審を務めていた白井一行審判と激突してしまった。

 遊撃を守っていた宜保は「ボール(打球)を追いかけていて『あ、ぶつかる!』と思ったので、すかさず受け身を取りました。自分が転ぶのもそうですけど、モロにぶつかると審判も『危ない』と思ったので、うまく肩を当てて転がるようにしました」。

 瞬時の判断で、大きなアクシデントからは免れた。8回無死一塁の場面だった。走者がスタートを切るのを確認すると、宜保は二塁ベース方向に動いた。ただ、打者が投球を打ち、自身の守備範囲に転がってきたため、打球を追った。二塁塁審の白井が打球を避けようとするが、その方向には宜保がいたのだった。

「あれは審判にとっても難しいプレーでしたよ。ランナーが走って、僕が(ベースに)入っていって、その後に打球が白井さんと被っているので。多分ですけど、白井さんは僕を見失っている。だから、(衝突した後も)仕方ないと思いました。僕が審判でも……とも思いました。僕より白井さんの方が痛いですよ。不意打ちだと思うので。僕は白井さんが走ってきたのが、視界に入っていたので」

 交錯した2人はその場に転倒。宜保は、スッと立ち上がった。「一瞬は『痛い!』と思ったんですけど、パッと周りを見て冷静になりました。プレーも続いていましたから。ぶつかった瞬間は痛みもありましたけど、その後は全然、痛くなくて何もなかったのでよかったです」。直後にはアイコンタクトで“ごめんなさい”を伝え合った。

 9回の守りでも、もう1度、相手を思いやった。「次の回も大丈夫かな? と思ったので、もう1回確認しました。攻守交代した時に、2人で笑いながら『大丈夫でしたか?』と。僕が『すみません!』っと言ったら『大丈夫だよ』と笑ってくれました。プレー中なので、僕は仕方ないなと思っています。白井さんも『ごめん!』という感じだったので」。絶妙なコミュニケーションで、当事者同士で“仲直り”に成功していた。

 宜保は右肩に痛みを感じていたため大阪市内の病院を19日に受診し、20日に「右肩関節前方インピンジメント症候群」と診断された。現在は患部の状態を確認しながらリハビリを行っている。「この痛みは、ぶつかった時のものではありません。だから、白井さんには(衝突を)気にしてほしくないんです。お互いに精一杯のプレーだったので」。またグラウンドで“アイコンタクト”した際には笑みが溢れそうな、良好な関係だった。

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