大谷翔平に欠かせぬ家族&同僚の支え 水原氏の騒動から3週間…14分間に語った全て

試合前に取材対応を行ったドジャース・大谷翔平【写真:小谷真弥】
試合前に取材対応を行ったドジャース・大谷翔平【写真:小谷真弥】

投手に負傷者続出、ピッチクロックの影響にも言及「間違いなく負担は増えている」

 ドジャースの大谷翔平投手は8日(日本時間9日)、敵地・ツインズ戦前に報道陣の取材に応じた。3日(同4日)の本拠地・ジャイアンツ戦で放った移籍後初本塁打から打撃好調の理由、元通訳・水原一平氏の違法賭博騒動からの気持ちの切り替えなど約14分間に渡って答えた。

――ドジャース1号から打撃好調。何かきっかけはあったか。
「いろいろ変えたりとか、調整法を含めて、いろいろ試しながらやっています」

――シカゴのリグレーフィールドで初めてプレーした。
「打者目線では今回は風が厳しかったですけど、ただ、クラシカルな球場というか、そういう雰囲気の球場は個人的には好きなので。すごいきれいな、昔ながらの美しい球場だなと思いました」

――投手の負傷が多い。ピッチクロックが要因として挙がっている。
「間違いなく負担は増えている。それは間違いないと思うので。リカバリーというか、体への負担は短い時間で多くの仕事量をこなすというのは、間違いなくかかっていると思うので。それがどの程度、今回のに反映されているかは確証はないですし。自分の感覚として、それはあるんだろうなと思います」

――今の投手は回転数、球速を集中している。これも怪我につながっているか。
「もちろん、その球質自体を上げていく作業もそうですし、かつ自分のベストなボールを投げ続けなければいけない。もちろん僕は投手をやっているので。その手を抜くではないですけど、軽く投げていくシチュエーションというのが先発投手でもなかなか少ないと思います。ピッチクロックは体への負担というのは増えていると思います」

――本塁打が出て心の余裕があるか。
「それはあると思いますね。一本が出るかどうかは全然違うと思うので。打席の中の余裕も違うと思いますし、メンタルの部分で余裕を持って打席の中に入るのは大きな違いかなと思います」

水原氏の違法賭博騒動もチームメートの支え「今すごくありがたいなと思っています」

――水原一平氏がいなくなったことで、調整しないといけない部分は出てきたか。
「どうなんですかね。まだ数日、数週間というか、今は実際に遠征に来ているので、ホテルで何かをするということもないですし、今のところは自分で球場に来て、何かをやったり練習をしたりとかというところで、もちろんチームの皆さんのサポートもありますし、コーチ陣、フロントのサポートもすごく感じているので。そこを今すごくありがたいなと思っています」

――フィールド外で起きている中、どう集中力を保っているか。
「野球をやる時に、特にそのことを考えてはいないですし、変な話、やってきた技術だったりというのは、基本的には変わらないと思うので。それをまずは信じて、グラウンドの中で100%表現するというのが僕の仕事なので。そこはグラウンドの外で何があっても変わらないところかなと思います」

――投球再開のプログラムについては。
「今は順調に。昨日も投げましたけど、本当にスモールステップですけど、徐々に強度とかを伸ばしながら。球数も伸ばしながら、順調に来ているなと思います」

――どんな練習方法を行っているのか。
「動画を撮っていろいろ。別にドリルじゃなくても、こうしよう、ああしようというのを話してますし、昨日は2回凡退した後はクリケットのバットで打ったりとか。2安打したので、今日もやろうかなと思っています」

――投球フォームで残そう、変えた方がいいかなというのは。
「投げ方で軽減できる範囲がどの程度なのか。球速との因果関係が結構強いと思うので。例えば160キロを投げる。同じ投げ方ではなかったとして、160キロを投げられるというのが、どの程度、メカニックや動き方によって軽減できるのか。正直、球質の方が、どの投げ方というか仕方ない部分があるので。なので、クオリティをどの程度保証していくか。1試合の中でどうマネージメントしていく方が怪我をしない観点で言うと大事なのかなと思います」

――フォームを作る前に体の使い方、それを軽減できるフォームがあるとするなら、それを可能とする体の使い方があると思うんですけど、そのためのトレーニングという意味で何か取り入れていることは。
「それはやっぱり全体で分散するしかないと思うので。昔でいえば、例えば下半身で投げなさいよ、みたいなことが感覚的に言えば、そうなるんでしょうけども。それを全体で分散していく。投げ方によっては、どこかに頼って投げていくというのもありますし。球速に関して言えば、動き方もそうですけど、イメージというか、こういう風にいけそうだなというイメージがあれば、どんな投げ方でも意外に速く投げられると思うので。それを効率よく分散していく投げ方というのは大事なんでしょうけど。さっきも言いましたけど、クオリティがどうしても上がると、どうしても負担が出る場所というのがまぁあるのかなと思うので」

クリケットバットで好打連発「練習の一環として良さそうだな」

――打撃の右手の最後の使い方について。
「打球の角度とか自体はスイングの軌道で決まると思っているので。スイングの軌道は構えから決まっていますし。だから構えは大事だというのが僕の考え方ではあるので。構えが決まれば、軌道も良くなるし、力の伝わるスイングにもなる」

――打撃の最後に右手の使い方を確認している。考え方を整理しているのか。
「そうですね。直後じゃないと、今のがどうなっていて、どういう軌道で振ったらいいかというのをイメージしとかないといけない。やった直後というのが一番」

――クリケットバットの影響は。
「クリケットのバットは面になっているので、面で捉えていく時とか。どちらかというと、(バットを)返していくのが早いスイングではあったので。握った時に良さそうだな、練習の一環として良さそうだなと思って昨日はやりました」

――今年は奥さんがいて愛犬がいる。苦しい時に支えになったか。
「基本的な生活のリズムは変わっていないですね。今日もそうでしたけど、ギリギリまで寝て来る感じなので。基本的には変わってないですけど、ここ数週間、いろいろあったので。隣に誰かがいるかどうかはだいぶ違うと思いますし、そういう意味ではすごいいてくれて良かったなと思う時はあったかなと思います」

――食生活に変化は。
「今いろいろ、今回のあれでもそうですけど、決まっていたことをいろいろ変えなきゃいけなかったりしているので。まだそんなに生活の基盤というのが出来ていないというか。リズムみたいなのが出来ていないので、今は普通に作ったりとかではなくて。例えば何かを頼んだりとかというところで食事はしていますね」

――松井秀喜さんの通算175本塁打の日本人最多記録に迫っている。
「もちろん早く打ちたいなという。そこまでとかというよりは、次の一本、次の一本というところだと。シーズン中は特にそうだと思うので。今日もし打ったら、また明日打てるように。その次も、その次の日もという感じなので。もちろん特別な数字だと思うので、早く打ちたいなという気持ちはもちろんあります」

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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