阪神“歴史的貧打”でも勝率5割&Aクラスの不思議 岡田監督も苦笑「分かってきた」

阪神・岡田彰布監督【写真:小林靖】
阪神・岡田彰布監督【写真:小林靖】

延長10回に佐藤輝が右前へサヨナラ打を放ち3連勝、勝率5割に

■阪神 2ー1 巨人(18日・甲子園)

 阪神は18日に行われた巨人戦(甲子園)に延長10回、2-1でサヨナラ勝ちし3連勝を飾った。10安打を放った打線に岡田彰布監督も「まぁ、今日でちょっと吹っ切れたかもわからない」と安堵の声。チームは10戦連続2得点以下と歴史的な得点力不足だが、勝率5割、リーグ3位の位置につけている。

 相手先発・菅野の前にゼロ行進が続くもワンチャンスをものにした。1点を追う8回に代打・前川の左前打から1死一、二塁の好機を作ると、森下が左前適時打を放ち同点に追いつく。その後、両チーム無得点に終わり試合は延長戦に突入。延長10回無死満塁から佐藤輝がプロ初のサヨナラタイムリーを放ち劇的な勝利を手にした。

 10試合連続2得点以下は1959、2012年以来、3度目となる球団ワースト記録。4番の大山は開幕からここまで72打席ノーアーチと打率.159の大不振で、佐藤輝も打率.194。この試合前まで3番・森下も打率.193と“1割トリオ”が中軸に並ぶにも関わらず、僅差の勝負をものにしている。

 12球団ワーストのチーム打率.202の数字だけをみれば、勝率5割なのが不思議なぐらい。それでも、森下はリーグ2位の11打点を記録し、チーム本塁打10本は12球団トップ。この日、第1打席から3打席連続三振と苦しんだ佐藤輝が、勝負所で1本を出したように、昨年には及ばないものの“しぶとさ”を見せているのは事実だ。

 もちろん、互角の戦いを演じられるのは先発、中継ぎと強力な投手陣あってのこと。今後、上位浮上を目指していくには中軸の奮起は必要不可欠になってくる。お立ち台に上がった佐藤輝も「野手陣がなかなか打てていないので、これからもっと打てるように頑張る」と、それは自覚している。

 本拠地で巨人相手に2勝1分と勝ち越し、3戦目で2桁安打をマークしたチームに岡田監督も「いや、こんなんで喜んでたらあかん。まあうれしいねぇ。やっとというか」と、苦笑いを浮かべながらも「大体今年のチームというか、大体分かってきた」と、少しずつ手応えを感じている様子だ。

 19日からは開幕から好調を維持する首位・中日との3連戦。ゲーム差は「2.5」。打線が援護し、昨年までの“定位置”に戻りたいところだ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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