オリ逸材21歳の剛球は「防具つけても怖い」 “元相棒”が証言「見たことない威力」

オリックス・山下舜平大(左)と中川拓真【写真:本人提供】
オリックス・山下舜平大(左)と中川拓真【写真:本人提供】

オリックス・山下に中川拓真「球が急にブッ!ってくる感じ」

 同期入団の“怪物”を1番最初に体感した。昨オフにオリックスから戦力外通告を受け、独立リーグ・九州アジアリーグに所属する「火の国サラマンダーズ」で今季からプレーしている中川拓真捕手は、山下舜平大投手の直球を「防具をつけていても怖い」と表現する。

 2人は2020年ドラフト1位(山下)と5位(中川拓)で指名され、オリックスに入団。グラウンドでも、球団寮でも“バッテリー”を組んだ間柄だった。初めて山下のボールを受けた際の印象は「マウンドの5メートル手前から投げているんじゃないか?」だった。

「シンプルに怖いですよ。球が急にブッ! ってくる感じです。マウンドにいるのに、他の投手よりもめちゃくちゃ近くにいるように感じます。防具をつけていても怖いんです。もう、絶対1軍で活躍すると思ってましたね。見たことない威力でしたから。間違いなく、ウダさん(宇田川)とペータ(山下)は1軍で戦力になると感じていました」

 オリックスを離れてからも“関係”は変わらない。「例えばキャンプ中だったり、試合のない日だったりにビデオ通話をかけてきたり。『何してるん?』って、急なタイミングです(笑)」。球団寮の部屋でマリオカートなどのテレビゲームをした“青春”が脳裏をよぎる。

「友達というか……。同じ屋根の下でご飯を食べていたので、僕は家族だと思っています」

 楽しいことは共有し、悩みも打ち明ける。「一緒に(ディズニー映画の)カーズを見たことも、懐かしいですね」。アクセル全開の“逸材”に寄り添い、何度もギアを上げた。時に、ワイパーは必要かもしれない。でも、2人の信頼関係にブレーキは必要なかった。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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