「大変だ、さあ来るぞ」 空港で大谷翔平を出待ち…“12.9事件”をカメラマンが自虐

ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

昨年オフ、FAとなっていた大谷のブルージェイズ移籍騒動が勃発した

 ドジャース・大谷翔平投手はエンゼルスからFAとなっていた昨年オフに「ブルージェイズ移籍間近」と報じられたた。結局は誤報だったが、一部米メディアによって、ブルージェイズと契約するためにトロントへ向かったと報じられたことで、日米を巻き込んだ大騒動となった。26日(日本時間27日)から、ブルージェイズとの今季初カードとなる3連戦を迎えたことで、地元紙で改めて当時の“背景”が報じられた。

 ドジャースの地元有力紙「ロサンゼルス・タイムズ」は「『彼はブルージェイズの一員になる』。ショウへイ・オオタニがトロントへ飛ばなかった日の裏側」の見出しでコラムを掲載した。去年の12月8日(同9日)、トロントをベースにしているフリーランスの写真家で、ブルージェイズファンのカルロス・オソリオ氏がSNSをスクロールしていた際に大谷に関するメディアの憶測を見つけ、空港へ向かった時の本人の話として紹介した。

 カリフォルニア州のオレンジ・カウンティからトロントへ向かうプライベートジェットを追跡する投稿から始まった。オンラインの探偵たちは、それが大谷をブルージェイズとの面談または契約に連れていく飛行機に違いないと推測。その後、「MLBネットワーク」の1人のレポーターが複数の匿名ソースからの情報として「ショウへイ・オオタニは今日トロントに向かっている」と断言した。

 オソリオ氏は好奇心が掻き立てられ、さらに自身のブルージェイズ・ファンの血が騒ぎ、行動に出た。ロイター社の編集者たちにメールを送り、予想される大谷の到着を写真に納めるためにトロントのピアソン空港に車で行く話を持ち掛けた。彼は複数のカメラマンとサインを求める人たちとともに、その飛行機が現地午後4時23分に着陸するのを見届けた。大谷がまもなく目の前に現れると期待していた。

「大変だ、さあ来るぞ。僕らが最初にオオタニの写真を撮ることができる」

飛行機から降りてきたのはTVパーソナリティのハージャベック氏だった

 オソリオ氏は駐機場に向かいながら気持ちを昂らせた。しかし階段を下りてきたのはカナダの実業家でTVパーソナリティのロバート・ハージャベック氏だった。飛行機は同氏のプライベート・ジェットで、当然ながら大谷は乗っていなかった。
 
 オソリオ氏は飛行機に大谷が乗っていないことが分かった時、悔しさを募らせた。さらに最近、オソリオ氏が当時の心境を振り返ったという。「ロバート(・ハージャベック氏)がこの飛行機から降りて車に乗るのを見るのにちょうど間に合った。それだけだったんです」と“空振り”に終わったことを自嘲気味に語った。

「その飛行機をしっかり調べていたら、もしかしたら、ハージャベックとその飛行機だと分かったかもしれません」。オソリオ氏は笑い、「ですが、あまりに気持ちが盛り上がっていて。(大谷が)乗っているに違いない。彼が来る。彼がブルージェイズの一員になる。僕らはワールドシリーズを制覇する、という感じでね」と続けた。

 これが昨年12月に起こったトロント移籍騒動の“背景”だという。

(Full-Count編集部)

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