宇田川優希が憧れる茂野吾郎 運転ハンドル握り「どうなるんだろう」…乗り越えた不安

オリックス・宇田川優希【写真:北野正樹】
オリックス・宇田川優希【写真:北野正樹】

オリックス・宇田川、不安に打ち勝ち1軍へ…憧れたアニメ「MAJOR」

 右肩痛の影響で出遅れていたオリックスの宇田川優希投手は、度重なる怪我にもめげず野球人生を切り拓いていく、アニメ「MAJOR」(メジャー)の主人公・茂野吾郎投手に自らの復活劇を重ね、調整を続けている。
 
「そのキャラクター(茂野吾郎)がすごく前向きなんです。それを観るとめっちゃ元気が出て、やる気になります」。1軍復帰を目指した時期に、支えになっているものを尋ねると宇田川の表情が一気に明るくなった。

 宇田川は仙台大から2020年育成ドラフト3位でオリックスに入団。150キロ後半のストレートとフォークを武器にプロ2年目(2022年)の7月に支配下選手登録され、救援投手としてリーグ優勝に貢献、日本シリーズでも1勝2ホールドと活躍して〝シンデレラボーイ〟と評された。

 プロ4年目の今季、右肩痛のため宮崎春季キャンプでは2月20日過ぎにキャッチボールを始めるなど、大きく出遅れた。3月10日過ぎからブルペンで投球練習を開始し、3月30日の大商大戦が実戦初登板となった。以降、ウエスタン・リーグで調整登板を重ね1軍復帰の準備を進めていた。

「僕もまだアピールしなければいけない立場なので、キャンプでみんながブルペンで投げたり、紅白戦やオープン戦で良い投球をしているのを見たりすると焦りはありました」。本格的な投球を再開しても「3日連続して内容が良くなかったら、どうなるんだろうと帰りの車の中で考えてしまう自分がいました」と、復活への歩みが順調でなかったことも吐露した。

投手陣が奮闘している中で「何をしているんだろう」

 そんな時、再び出会ったのがアニメ「MAJOR」だった。主人公(茂野吾郎)は小学生時代に右肩を痛め左投げに転向したほか、足の靭帯断裂や血行障がいなど大きな故障に苦しみながらも、メジャーで活躍し、日本球界に外野手として復帰するなど、熱いハートで体力の限界を超えてまでも目標に全力で向かう努力家だ。

「小学生時代に観ていた好きなアニメでした。茂野吾郎も真っすぐとフォークで抑えるんです」。打者に向かっていく投球スタイルと、怪我に苦しむ状況が自身に重なるのだろう。ファンの声も支えになっている。選手とファンがフェンス越しに1メートルほどの距離で交流することができる2軍本拠地の大阪・舞洲。「京セラと違って距離が近く『1軍で待ってるからね』など温かい声を掛けて下さいます。早く1軍で投げている姿を見せたい、という気持ちになります」と声を弾ませる。

「1軍では勝ち試合でも負け試合でも、投手陣が頑張っている中で『何をしているんだろう』という思いはありました。新人も良い投球をしていますが、そこは焦らずに。焦っても良いことはありませんから」。シーズンは始まったばかり。剛腕リリーバーが復活を遂げる。

○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者1期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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