奥川恭伸は「2軍ではレベルが違う」 コーチが語る“現在地”「今年にかけている」

ヤクルト・奥川恭伸【写真:荒川祐史】
ヤクルト・奥川恭伸【写真:荒川祐史】

小野寺コーチは奥川について「段階を踏んでいる」

 ヤクルトの奥川恭伸投手は6日に戸田球場で行われたイースタン・リーグの巨人戦に先発し、7回2安打1失点の好投で今季初勝利を挙げた。今季初先発で最速151キロを計測し、68球でまとめた23歳について、小野寺力2軍投手コーチは「今年にかけている気持ちは伝わってくる」と評価した。

「先日の巨人戦に関しては言うことないです。まっすぐで攻めて、コントロールもよかった。風が強くてスライダーが抜けることもあったけど、修正能力も高かった。球数もある程度は投げられたし、段階を踏んでいる。次は制限なくいって、あとは上がどう判断するかですかね」

 奥川は5年目の今季は1軍キャンプスタートも、2月下旬に腰痛で離脱。2軍での調整中は「重いものを上げる、とかではなく、まずはしっかり投げることに専念しよう」と小野寺コーチと取り組んできた。

 開幕には出遅れたが、2度の救援登板を経て臨んだ6日の巨人戦では最速151キロを計測。直球の平均は148キロをマークしていたという。「肘は大丈夫だし。腰の不安もない。一夜明けて(状態の)確認もしたけど大丈夫だった」。

「現状での課題はないです。あとはバッターとの駆け引きの部分」

 2019年ドラフトで3球団が競合し、星稜高(石川)からドラフト1位で入団。2年目の2021年に9勝をマーク、クライマックスシリーズでMVPに輝くなど順調なスタートを切った。しかし、2022年以降は肘痛の影響などもあり、1軍登板は同年3月29日の巨人戦が最後となっている。

 小野寺コーチは故障に悩まされていた当時について「肘に負担がかかる投げ方でした。痛めるような投げ方だった。今はそういう意味では少し投げ方を変えています。うまく投げていて、コントロールもいいし、出力もある。2年目のときよりもいいんじゃないかな。球の質が良くなっていると思いますよ」と説明。2021年を上回ると感じさせるような現在の姿に期待を寄せる。

「2年間投げていないですからね。周りの評価も本人は分かっています。今年にかけている気持ちは伝わってくる。投げられているから表情も明るいですよね」。新人時代からずっと見ているだけに、右腕の胸中は十分に分かっている。

「現状での課題はないです。あとはバッターとの駆け引きの部分ですね。“対1軍のバッター”というところ。1軍でどう抑えるかです。2軍とはレベルが違うので。あとは怪我させないようにやっていきたいですね」。期待の逸材が1軍のマウンドで躍動する姿を思い描いていた。

(湯浅大 / Dai Yuasa)

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