鷹に現れた新たな「育成の星」候補 3球団競合のドラ1右腕が示す実力…驚異の1.50

ソフトバンク・川村友斗【写真:矢口亨】
ソフトバンク・川村友斗【写真:矢口亨】

西武ドラ1武内は3勝無敗、日本ハム田宮は定位置を獲得しつつある

 プロ野球の2024年シーズンも約1/4を消化した。今回は、現在のパ・リーグで活躍している満24歳以下の選手について、球団ごとに紹介。未来を担う逸材たちの顔ぶれを確認し、今後の活躍にも期待を寄せたい。(成績は5月12日の試合終了時点)

・日本ハム:2年目の金村尚真投手は勝ちパターンの一角として7ホールドポイントを挙げた。5月8日には今季初先発。マルチな活躍を見せつつ、防御率1.47と抜群の安定感を発揮している。北浦竜次投手は12登板で6ホールドポイントを挙げた。

 野手では、田宮裕涼捕手が守備の負担が大きいポジションながら打率.318を記録。主力の1人へと成長を遂げつつある。細川凌平内野手は打数こそ少ないものの打率.286と一定以上の成績を残し、水野達稀内野手も着実に出場機会を伸ばしている。万波中正外野手は本塁打王争いを演じた昨季に続いて主軸を担い、33試合でリーグ5位タイの4本塁打、OPS.724と一定の数字を記録している。

・楽天:昨季はリリーフとして53登板で防御率2.28をマークした内星龍投手が、先発に転向した今季も防御率2.58。勝ち星は1勝止まりながらクオリティスタート率は83.3%をマークしている。2年目ドラ1の荘司康誠投手は、奪三振率9.86と力強さが増している。

 ドラフト5位ルーキーの松田啄磨投手は5登板で防御率1.50。主にロングリリーフとして4試合の中継ぎ登板で8イニングを消化しただけでなく、4月13日のロッテ戦では体調不良の荘司に代わって先発を務めるなど、プロの舞台で躍動を見せている。

・西武:昨年に47試合で18ホールド、防御率2.50と活躍した佐藤隼輔投手が、今季も13試合で7ホールド、防御率1.46。同期の隅田知一郎投手も左の先発として奮闘しており、2021年のドラフト1・2位コンビが主戦投手に成長している。ドラフト1位ルーキー、武内夏暉投手は5試合全てでクオリティスタートを達成し、3勝負けなし、防御率1.50。3球団競合の前評判に違わぬ投球を展開している。

 先発転向2年目の平良海馬投手も5試合で防御率1.42をマークしていたが、故障で戦列を離れている。野手では、昨年100試合に出場した古賀悠斗捕手が今季も活躍。昨季は打率.218、OPS.596と打撃に課題を残したが、今季は打率.297、出塁率.348、OPS.738と長足の進歩を示している。

オリ2年目・曽谷は奪三振率10.38、開幕前に支配下昇格の鷹・川村が奮闘

・ロッテ:横山陸人投手は勝ちパターンの一角に加わり、一時はクローザーも務めた。4月19日の試合を最後に1軍を離れているものの7試合で2ホールド2セーブ、防御率2.84を記録している。佐々木朗希投手は4月以降の5試合全てで100球以上を投じており、昨季までに比べてスタミナの向上を示している。

 2年目の友杉篤輝内野手は29試合で打率.289と奮闘。打撃面における進境が著しいだけに、レギュラー奪取の可能性も大いにある。山口航輝外野手は33試合で打率.214、2本塁打と苦しんでいるが、5月は打率.261と復調の兆しを示しつつある。

・オリックス:昨年のドラフト1位左腕・曽谷龍平投手が4先発で防御率2.49。奪三振率10.38、K/BB4.17と投球内容も優秀だ。ドラフト5位ルーキーの高島泰都投手、同6位の古田島成龍投手がリリーフとして奮闘。古田島は7試合で無失点、奪三振率9.72と、1年目から出色の投球を披露している。

 自身初の開幕投手を務めた宮城大弥投手は6試合で防御率1.49と抜群の安定感を示していたが、左大胸筋の損傷で戦線を離脱。4試合で防御率1.35の東晃平投手も右手のマメの影響で登録を抹消された。野手では紅林弘太郎内野手が33試合で打率.266をマーク。遊撃のレギュラーとしてチームの3連覇を支えた22歳は進化を続けている。

・ソフトバンク:昨季途中から先発ローテに定着したカーター・スチュワート・ジュニア投手が5先発で防御率2.28と好成績を残している。現役ドラフトで日本ハムから移籍した長谷川威展投手は、4試合で無失点。ドラフト2位ルーキーの岩井俊介投手は2試合で無失点、奪三振率13.50。同5位の澤柳亮太郎投手も1軍で登板機会を得ている。

 野手では今季開幕前に支配下昇格を勝ち取った川村友斗外野手が打率.333、出塁率.418、OPS.839をマークしている。このまま大ブレークを果たし、新たな「育成の星」となる可能性は十分だ。

 多くの実力者が居並ぶプロ野球で若くして多くの出場機会を得ることは決して容易ではない。今回取り上げた選手たちはこのまま好成績を残し、チームを支える存在へと成長することができるか。各チームの未来を担う可能性を秘めた選手たちが見せる躍動に、あらためて注目してみてはいかがだろうか。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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