吉田輝星に「もう1回」…中嶋監督との“内緒話” ファーム調整も明るい表情のワケ

オリックス・吉田輝星【写真:小池義弘】
オリックス・吉田輝星【写真:小池義弘】

オリックス・吉田輝星、中嶋監督から「捕手目線のお話を教えて頂きました」

 開幕から1軍戦力としてブルペンを支え、新天地で存在感を示してきた。オリックスの吉田輝星投手が5月25日の西武戦(ベルーナドーム)を前に、今季初めて出場選手登録を抹消された。ただ、抹消当日のスタジアムには、笑顔で中嶋監督と話しをするシーンが見られた。

 どんな“内緒話”をしていたのか――。後日、吉田に尋ねてみた。「監督との話ですか? 試合数(15試合)も、あの時のマチャドと同じくらいで1番くらいに投げていたので、体の面でもう1回、向き合おうというお話でした」。にこやかな表情で23歳右腕は振り返る。

「基本的に球種の話ですね。今年から一気に球種を増やしたので、そこの話です。ツーシームの割合も多くなったので、振り返りというか。フォークとの組み合わせの話などをして頂きました」

 1軍からファームに“送り届ける”選手に対して、指揮官は復調を期待してアドバイスすることは就任当時から目立つ。シーズンは長い。それだけに“親心”がグラウンド上でも見受けられる。

 吉田は納得して指揮官の話に深く頷いた。「捕手目線のお話を教えて頂きました。ファーム(の登板)でその部分を試してみたりしましたね」。ファームに合流してから2試合に救援登板して無失点の投球を披露。手応えも感じている。

 登録抹消から最短10日での再登録は4日から可能。吉田も力を込める。「ブルペンで肩を作って投げない日も、もちろんありました。役割は日々違って当然だと思っています。そのあたりも臨機応変に準備していきたいです」。指揮官との“内緒話”は他にもあったようだが、照れ笑いで隠し通したため、中身は秘密のまま。全てを話す必要はない。金言はマウンドで表現してみせる。

○真柴健(ましば・けん)1994年8月、大阪府生まれ。京都産業大学卒業後の2017年に日刊スポーツ新聞社へ入社。3年間の阪神担当を経て、2020年からオリックス担当。オリックス勝利の瞬間に「おりほーツイート」するのが、ちまたで話題に。担当3年間で最下位、リーグ優勝、悲願の日本一を見届け、新聞記者を卒業。2023年からFull-Count編集部へ。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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