悪夢の開幕8連敗に「復調の余地なし」 専門家が指摘…西武のエースが「勝てない理由」

西武・高橋光成【写真:小林靖】
西武・高橋光成【写真:小林靖】

先発した高橋は3回1安打2失点で開幕から8連敗

■オリックス 4ー1 西武(23日・京セラドーム)

 西武は23日、京セラドームで行われたオリックス戦に1-4で敗れ、6カード連続負け越しとなった。先発・高橋光成投手は3回1安打2失点で開幕から8連敗となった。いまだ白星のない右腕に野球評論家の新井宏昌氏は「突然崩れ、ストライクゾーンで勝負できていない。勝てない理由がある」と指摘した。

 悪夢を払拭することはできなかった。先発・高橋は2回1死から3連続四死球で満塁のピンチを背負うと、9番・杉本に中犠飛を許し先制点を献上する。さらに3回も先頭の西野から2連続四球と制球に苦しみ、1死一、三塁から紅林に中犠飛を許しリードを広げられた。

 復調の兆しが見えず、ノーヒットで2点を失い今季最短の3回で降板。開幕から8連敗の右腕に新井氏は「点の取られ方が悪すぎる。ベンチとしても、これ以上投げても復調できる余地がないという判断ではないでしょうか」と、投球内容を振り返った。

 自らピンチを広げ、簡単に得点を許す苦しい投球。2回に杉本に浴びた犠飛も、2球で追い込みながらカウント1-2からの4球目は高めに抜けたカットボールを運ばれ、3回も紅林には初球のスライダーで追加点。計5四死球で3回64球と試合を作ることはできなかった。

チームは6月いまだ連勝なく3勝14敗と大きく負け越し

「1個1個のボール自体はそれほど、悪くない。ただ、チーム状況も悪い中で、明らかなボール球が多くストライクゾーンで勝負できていない。ストレートでの四球を出すなど、昨年までエースとしての投げていた姿ではない」

 高橋は昨季、3年連続2桁勝利を達成し、リーグ2位の防御率2.21をマーク。名実ともにエースの称号を手にしていたが、今季は春季キャンプでのコンディション不良を訴え調整が遅れていた。ここまで10試合に登板し0勝8敗、防御率4.42。クオリティスタート(6イニング以上、自責点3以下)は30%と苦しい状況が続いている。

 12球団ワーストのチーム打率.202、148得点と打線の援護がないのは勿論だが「エースがこの内容だと野手にも響いてくる。今の西武では最も実績ある投手。引っ張っていく投手が勝てていないのも低迷の原因の一つ」と新井氏は言及する。

 チームは6月、いまだ連勝がなく3勝14敗と大きく負け越し。借金も「26」まで膨れ上がった。監督交代もありながら不調の兆しが見えない西武。苦しむ右腕は2軍での再調整を含め、本来の姿を取り戻すことが最優先になりそうだ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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