西川龍馬「ちょっと遅かったかな…」 捨てた新スタイル…復調もたらした原点回帰

オリックス・西川龍馬【写真:北野正樹】
オリックス・西川龍馬【写真:北野正樹】

オリックス・西川龍馬が“原点回帰”「ちょっと遅かったと思いますが…」

 原点回帰で本領発揮とする。昨オフに国内フリーエージェント(FA)権を行使してオリックスに移籍した西川龍馬外野手が、広島時代の打撃に戻して安打を量産している。「今年やってきたことを、全部、捨てました。何かを変えないと。ちょっと遅かったと思いますが……」。復調の秘密を明かした西川の表情に曇りはなかった。

“新しい自分”を簡単に見捨てたくはなかった。プロ9年目を迎えた新天地。パワーピッチャーの多いパ・リーグ投手との対戦を想定し、自主トレから新しい打撃に取り組んできた。「球が強いというイメージと、その真っすぐに負けないようにと、自分の中でちょっと変えたものがあって。それまでにやってきたものもあったんで、それも含めてやってみようかな」と狙いを明かした。

 開幕10試合目あたりまでは猛打賞も含め、打率.250をキープしていたが「打っても1日に(安打は)1本。全打席(安打を)打ちにいっているので、数字的にも全然、足りていませんでした」と、満足のいくスタートではなかった。その後も試行錯誤が続き、打率2割を切ってしまう日もあった。

 西川は敦賀気比高、王子製紙から2015年のドラフト5位で広島入り。巧みなバットコントロールで安打を量産し、プロ8年間の通算打率は.299を誇る“安打製造機”。ただ、新しい環境でもがき苦しんだ。「遠くへ飛ばそう」と新しい打撃で臨んだカープ時代の昨季、結果が出ないとわかると開幕3戦目に元の打撃に戻したのだが、今季は40試合を過ぎるまで挑戦を続けた。

「どこかで『やっぱり変えた方がいいな』と思っていたタイミングで、カープ時代の良い時の映像と照らし合わせてくださった監督やコーチ、スタッフと意見が一致したんです。その時、僕も戻した方がいいかなと思っていた時だったんで」

「毎年、どうやったらよくなるのかを考えて。アカンかったらそこに戻るんです」

 このまま継続すれば、結果を出せるかもしれない。それより、ここまで我慢して見守り続けてくれた首脳陣や、復調を信じてくれているファンのためにも、軌道修正に迷いはなかった。

 打率.214で迎えた北海道遠征。広島時代の打撃に戻すと5月23日の日本ハム戦(エスコンフィールド)で5打数3安打2打点の活躍でチームの連敗を「2」で止めた。交流戦に入っても好調は続き、6月1日の中日戦(京セラドーム)から10試合連続安打。6月5日から「4番」に座り、6日のDeNA戦(同)からは4試合連続して決勝打をたたき出した。交流戦はチームトップの打率.314でチームの7連勝に大きく貢献した。

「もっと早い段階で戻したらよかったのですが、自主トレからやってきたのですぐには変えたくなかった。自分を信じながらやってきたので」と苦悩した日々を吐露した。「ある程度、自分の形は残しつつ、毎年、どうやったらよくなるのかを考えてやってきました。毎年、新しいことをやって、アカンかったらそこに戻るんです」。心と体に刻み込まれた「自分」があるからこそできる新たな試みだった。

 胸を躍らせた新天地での躍動。遠回りしたかもしれないが、新しい挑戦をしての原点回帰には、大きな意味がある。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY