“外野手・大谷翔平”の高まる実現性 ロッカーに専用グラブ、強打の捕手のDH起用

ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

チーム外野手のWARは「-1.8」、メジャー20位のウィークポイント

 気になっていることがあった。オールスター戦前、ドジャース・大谷翔平投手の本拠地ロッカーには外野用グラブと一塁ミットが目に見えるところに置かれていた。3月下旬から1日おきに行っているリハビリのキャッチボールでは通常の投手用グラブよりも大きな外野グラブを使うことも。デーブ・ロバーツ監督はシーズン序盤に大谷を左翼手として起用するプランを口にしていたが、ひょっとしたらホントに実現するのかもしれない。

 まずは強打の捕手ウィル・スミスの起用法だ。今季のDHスポットは大谷が占有しており、2番手捕手オースティン・バーンズの先発マスク時は代打待機となっている。左腕クレイトン・カーショーが戦列復帰し、専属捕手のバーンズがマスクを被る試合も増えるだろう。大谷を外野手として使い、休養を兼ねてスミスを指名打者に。主に2番で使われるほどのスミスの打力を生かさない手はないだろう。

 チーム事情もある。今季は昨季の新人王候補だったジェームズ・アウトマンが不振。テオスカー・ヘルナンデス、新人アンディ・パヘスが奮闘しているが、チーム外野手のWARは「-1.8」。リーグ9位(メジャー20位)とウィークポイントとなっている。今夏のトレード戦線でもレイズのランディ・アロサレーナ(マリナーズへ移籍)、昨季38本塁打を放ったホワイトソックスのルイス・ロバートJr.ら強打の外野手の名前が挙がったが、外野手の補強はゴールドグラブ賞4度の名手ケビン・キアマイアーのみだ。

 チームは外野も守れるWBC韓国代表のトミー・エドマン、アーメド・ロサリオ両内野手を獲得した。8月中の復帰が見込まれるムーキー・ベッツ内野手の外野手復帰も検討されるだろう。それでも外野手・大谷、DH・スミスを超えるインパクトはないだろう。

 7月に失速したチームは2位のパドレスに4.5ゲーム差に迫られた。もちろん来季の万全の二刀流復帰が最優先事項なのは分かっているが、大谷がリハビリ中に見せる助走つけてのキャッチボール、そして投じられる140キロ近い剛速球。世界一をかけた大一番で、外野手・大谷の一手を期待したくなる。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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