吸い込まれた森友哉の“オーラ” 25歳女子アナがマウンドで感じた超一流の風格

関西テレビの橋本和花子アナウンサー(左)、オリックス・森友哉【写真:小林靖、真柴健】
関西テレビの橋本和花子アナウンサー(左)、オリックス・森友哉【写真:小林靖、真柴健】

関西テレビ・橋本和花子アナが森友哉から感じた“超一流の構え”

 プロの風格を肌で感じ取った。関西テレビ(カンテレ)の橋本和花子アナウンサーが、今年3月22日に京セラドームで行われたオリックス-阪神の試合前に始球式を行った。現在は「newsランナー」のスポーツコーナーを担当(月曜)、さらに「旬感LIVE とれたてっ!」(月・水・金)などに出演中。高く足を上げて投じた1球は、まさかの方向へ……。打者・近本光司外野手の背中側への“大暴投”には、深い理由があった。

 当日の先発投手はオリックス・宮城大弥投手で、バッテリーを組んだのは森友哉捕手だった。橋本アナは「森さんの構えにビックリしてしまったんです……。私の目には、肩をガッと入れて構えてくださっているような気がしたんですよね。視線がその構えに吸い込まれてしまって、完全にミットを見てしまっていたんです」。

 事前には、ノーバウンドでミットに届けるために「アンパイアの顔付近に投げよう」と同僚のアナウンサーたちから助言をもらっていたが「その意識は気付けばどこかに飛んでいました。プロの構えから溢れるオーラに吸い込まれてしまいましたね」と苦笑いだ。

 本番までの2週間で、みっちり練習に取り組んだ。「練習期間は8割くらいの確率でノーバンストライクだったんですよ! 今になったら言い訳になるんですけど……。体に染み込んでなかったんですね」。3歳から15年間、バトントワリングに励んでいた経験から「頭でわかっていてもダメだなという感覚はありました」と振り返る。

 後日、始球式で捕手役を務めてくれた森と話す機会があった。「しっかり構えてくださいましたよね……?」と聞くと「え? 僕、肩入れないですよ? 人違いじゃないですか?(笑)」と返事があった。「緊張で舞い上がってしまったのか、超一流の構えを初めて見たからなのか……。改めてリスペクトの気持ちが高まりましたね」と今でも困惑気味に話す。

 結果的に“大暴投”になってしまったが「本気度が伝わっていたのか、みんな優しい反省の言葉をくださいました。次こそはノーバンですよね。次も足を高く上げたいです。完全に自己満足ですけどね(笑)」。早期のリベンジを心待ちにする。

「始球式のおかげで…。この緊張に勝るものはないと思えるようになりましたね」

 父親との“約束”を叶えたマウンドだった。「私は甲子園球場の近くで生まれ育ったので、自然と野球ファンになっていました。父親と河川敷でキャッチボールをしていた頃から、始球式は1つの夢だったんです。夢を追ってきてよかったなと本当に思いました」。今ではベンチリポートや、ヒーローインタビューでのインタビュアーを務める。

「初めてヒーローインタビューをした時、ものすごく感慨深かったです。昔は父親と観客席に座っていたので、憧れの存在でした。女性が担当することも珍しくなくなってきましたし、『このインタビュアーの時は、選手の喜びの表情が沢山見られるな』と思って頂けるよう努めます!」

 渾身の1球は今も生きている。「始球式のおかげで……。この緊張に勝るものはないと思えるようになりましたね。心の波がなくなってきました(笑)。今までの人生で緊張する場面はいくつかありました。大学受験、アナウンサー試験、バトントワリングの全国大会……。今では始球式がトップに躍りでましたね」。また1つ、経験が増えた。

(真柴健 / Ken Mashiba)

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