大谷が強すぎ…ゲーム制作者が本音「正直困ってます」 設定された驚異的数値「93」

東京ゲームショウ2024で元メジャーリーガーの五十嵐亮太氏、川崎宗則氏らが出席し、デモンストレーションが行われた【写真:宮脇広久】
東京ゲームショウ2024で元メジャーリーガーの五十嵐亮太氏、川崎宗則氏らが出席し、デモンストレーションが行われた【写真:宮脇広久】

KONAMIの担当者語る…大谷が強すぎて「正直言って、困っています」

 株式会社コナミデジタルエンタテインメントは26日、MLBモバイルゲームの完全新作「eBaseball: MLB PRO SPIRIT」を今秋に配信開始すると発表。この日、千葉・幕張メッセで開幕した「東京ゲームショウ2024」で、元メジャーリーガーの五十嵐亮太氏、川崎宗則氏らが出席し、デモンストレーションが行われた。

 ドジャースの大谷翔平投手をはじめ、メジャー全30球団の実在選手約700人、各球団のホーム球場をリアルなグラフィックで描いている。ユーザーは、選手を獲得・育成してオリジナルチームをつくり、他のユーザーとの対戦を楽しむこともできる。

 五十嵐氏は「もともと、KONAMIのゲームの選手データは凄いですよ。僕がソフトバンクで現役だった頃、密かにナックルカーブとナックルスライダーを投げ分けていて、誰にもわからないだろうと思っていたのに、ちゃんと区別していましたから」、川崎氏も「KONAMIのデータは、プロのアナリスト並みのレベル」と評したが、そのノウハウは、新作のMLBモバイルゲームにも生かされている。

 制作チームを指揮する阿部洋介プロデューサーは「日本のプロ野球12球団の、2.5倍の数の選手をつくらなければならないので、正直言って大変です」。それでも「実は日本のプロ野球以上に、MLBの方が様々なデータを手に入れやすい実情があります。打球方向、打球角度、投球の変化量なども踏まえて、各選手の特徴をしっかり映像化しています」と妥協はしていない。投球フォームや打撃フォームの癖まで、細かく再現している。

 そんな制作チームを困惑させているのが、大谷の存在だという。阿部氏は「正直言って、困っています。大谷選手は強すぎるんです」と苦笑する。

 大谷の同ゲームでの数値は、対右投手のコンタクト(ミート力)が「83」、対左投手のコンタクトが「80」、ボールを飛ばすパワーが「85」、盗塁の前提となるスピードが「80」に設定されている。OVR(Overall=総合評価)は「93」。阿部氏は、「93」を超える選手が他にいるのかどうかについては「ゲームの配信をお待ちいただければ」と明言を避けたが、「当然、トップクラスではあります」とうなずいた。

「大谷選手の活躍を、『まるでゲームみたい』と表現される方がいらっしゃいますが、ゲームの中に入れてもなお、強すぎます」と阿部氏。1人でゲームの行方を左右し過ぎてしまう心配はあるが、「『ぜひ使ってみたい』と思わせる選手がいるという意味では、われわれにとってありがたい。ゲームを通して大谷選手のリアルな凄さを体感していただきたいですし、MLBには大谷選手と並び立つような選手もいることを知っていただければと思います」と語った。

 巷では「大谷の今季の活躍を漫画にしようとすれば、非現実的過ぎてボツになるレベル」と声も上がっている。大谷は漫画家のみならず、ゲームメーカーをも悩ませているようだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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