中日の弱さの元凶「すごく残念」 物足りない選手…新監督が敢えて使った“厳しい言葉”

就任会見に出席した中日・井上一樹新監督【写真:小西亮】
就任会見に出席した中日・井上一樹新監督【写真:小西亮】

中日・井上一樹新監督「俺が好きな選手になれ」

 中日の再建へ、覚悟の指導が始まる。10日の就任会見に臨んだ井上一樹新監督は「我慢と勇気と、持ち前のチームを明るくするという長所を前面に出しながらチームを作っていきたい」と決意。チーム作りや選手への指導に対する方針の一端を明らかにした。

 金屏風を背に、ドラゴンズカラーの青いネクタイを締めての所信表明。人懐っこい笑顔と朗らかな雰囲気が特徴的な新指揮官の言葉は、熱が帯びていた。球団史上初の3年連続最下位で渡されたバトンは軽いはずはない。決して容易くない大役だからこそ、言葉も自然と厳しくなる。

「すごく残念だと思った」

 生きるか死ぬかの1軍の戦いで、負けても白い歯が見える選手が一部でもいたのが、いまのチームの現状。「温度差が選手の中である。熱量が少ない選手は予想がつく」とあえて言う。選手・首脳陣が同じ方向を向かねば、浮上はあり得ない。「そういう選手を導いてあげるのは僕の役目」。周囲を巻き込みながら、戦う集団にしていく。

「ベテランから若手の選手、それぞれの性格にあった対話をしていきたい。もちろん優しいばかりではダメなので。(選手の)鼻が伸びてきたら、手で折らなければいけない。折れなければポケットにノコギリを入れてでも折ってあげなければならない」。勝利のためには、嫌われ役も辞さない。

 選手たちへ守ってもらいたい“ルール”について問われると「和を乱すな。言ったことは徹底してくれ。できる、できないは別にしても自覚してほしい」と即答。さらに「俺が好きな選手になれ。打てなくても、エラーしても『もう一回お願いします。まだまだ上手くなりたい』と来てくれる選手が好きです」ときっぱり言い切った。

“明るい一樹さん”と“闘将”のハイブリッド。「強くしてほしい、明るい雰囲気の愛されるドラゴンズにするというのが、僕に課せられた任務なのかなと思っています」。笑顔の裏には、覚悟がある。

(木村竜也 / Tatsuya Kimura)

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