大谷翔平、劇弾を呼んだ“有言実行” WS初安打だけではない「有意義なアウト」

ヤンキース戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ヤンキース戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

延長10回の左邪飛で走者が進塁→ベッツ敬遠→フリーマン劇的サヨナラ弾

【MLB】ドジャース 6ー3 ヤンキース(日本時間26日・ロサンゼルス)

 目を大きく見開いた。ドジャース・大谷翔平は右翼スタンドへ描く放物線を見つめ、三塁ベンチからスキップするように三塁ベンチから飛び出した。1点を追う延長10回にフリーマンが逆転サヨナラ満塁弾。ワールドシリーズ第1戦を劇的勝利で飾った。

「最高のホームランで、最高の勝ち方を1戦目に持ってこられたんじゃないかなと思います」。NHKのインタビューでは顔を真っ赤に、大粒の汗を流しながら言葉をつないだ。

 劣勢の空気を吹き飛ばした。1点を追う8回1死、右腕ケインリーの外角チェンジアップを捉え、右翼フェンス直撃の二塁打を放った。敵失の間に三塁へ進塁。続くベッツの中犠飛で一時同点のホームを踏み、本拠地をドッと沸かせた。

「いい打席だったんじゃないかなと思う。1死で三塁まで来られたのは大きかったかなと思います」。4打席目で生まれたワールドシリーズ初安打。日本選手では2014年ロイヤルズ・青木宣親以来10年ぶりのWS安打となった。

 価値のある凡打もあった。1点を追う延長10回1死一、二塁では左腕コルテスの真ん中フォーシームに反応したが、左邪飛に。左翼・ベルドゥーゴがスタンドに飛び込んで好捕する間に、二走・テイラーと一走・エドマンはそれぞれ進塁した。一塁ベースが空いたことでベッツは敬遠。フリーマンの劇弾につながった。

「勝てば何でもいい。自分が打てなくても有意義なアウトならオッケー」。形はどうであれ、前日会見でこう語っていた通り、有言実行の打撃となった。

 あと1死で敗戦のところから劇的勝利。ベッツやテオスカー・ヘルナンデスら多くの同僚が取材を受ける中、17番は勝利の余韻に浸ることなく、試合終了から約22分後に帰路についた。悲願まであと3勝だ。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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