11失点大敗も…世界一へなかった“迷い” ド軍指揮官の大胆決断「使うつもりなかった」

ヤンキース戦の指揮を執ったドジャースのデーブ・ロバーツ監督【写真:Getty Images】
ヤンキース戦の指揮を執ったドジャースのデーブ・ロバーツ監督【写真:Getty Images】

3回に満塁被弾で逆転…4回からナック、ハニーウェルの起用のみ

【MLB】ヤンキース 11ー4 ドジャース(日本時間30日・ニューヨーク)

 世界一になるためには7試合で4勝すれば良い。デーブ・ロバーツ監督の采配は徹底していた。29日(日本時間30日)、ドジャースは敵地・ヤンキースとのワールドシリーズ第5戦に4-11で大敗した。1点リードの3回にダニエル・ハドソン投手が満塁弾を被弾。結果的に見れば、これが“失敗”になったが、ロバーツ監督はすぐに救援温存に切り替えた。

 中盤までは競った試合だった。ドジャースは初回にフレディ・フリーマン内野手がワールドシリーズ史上初となる6試合連発の2ランで先制。しかし、先発のベン・カスパリウス投手が2回に1点を返され、3回から登板したハドソン投手が2四死球と長打で2死満塁のピンチを作り、アンソニー・ボルピー内野手に逆転満塁弾を浴びた。

 タイラー・グラスノー、ギャビン・ストーン、クレイトン・カーショーらが不在のドジャース投手陣。ロバーツ監督はこの時点で救援のエース格を温存することを決断した。最終的に4回から使ったのはランドン・ナック、ブレント・ハニーウェルの2人のみ。試合後の取材では「3回に(左打者の)オースティン・ウェルズ、アレックス・ベルドゥーゴがいる中で(左腕の)アンソニー・バンダやアレックス・べシアを使う気はなかったのか」という質問に「3回に彼らを起用するつもりはない」とはっきりと述べた。

 ロバーツ監督はメッツとのナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦でも調子の悪かったフラハティを3回まで延ばし結果的に8失点を喫した。その後チームは2点差まで迫ったがロバーツ監督は救援エースを起用しなかった。「投手の起用するときは、信念を持ち続けないといけない。なぜなら、シリーズ7戦で4勝を挙げないといけないからだ」と早めの決断をし、結果的に第6戦でワールドシリーズ進出を決めた。

 第5戦はヤンキースがゲリット・コール、ドジャースがジャック・フラハティのエース対決となる。30日(同31日)の第5戦終了後、31日(同11月1日)は休みが1日挟むため、第6戦のことを考えずに投手を費やすことができる。大敗を喫したが、「救援陣で休養が足りていて、状態がいい選手が6人いる」。世界一まであと3試合で1勝。指揮官の采配に迷いはない。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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