防御率10.95→8勝…覚醒の巨人23歳に侍コーチ驚嘆 「普通じゃできない」“特質”

侍ジャパン・井上温大【写真:小林靖】
侍ジャパン・井上温大【写真:小林靖】

CSファイナルで6回途中まで完全投球…井上温大が豪州戦に先発

 23歳の左腕を自信を持って送り出す。野球日本代表「侍ジャパン」の井上温大投手(巨人)が「ラグザス presents 第3回 WBSC プレミア12」の開幕投手に決まった。13日に行われるグループBの豪州戦の先発。吉見一起投手コーチが起用の理由を明かした。

 大舞台での快投が決め手となった。10月19日、DeNAとのクライマックスシリーズ、ファイナルステージ第4戦。1勝3敗と王手をかけられ、負けたら終戦とプレッシャーのかかる試合で6回1死まで完全投球。戸柱に一時同点となるソロを許したが、6回1安打1失点6奪三振と好投した。

 吉見コーチは11日の取材で「前のCSのピッチングじゃないですか」と決め手を明かす。「負けたら終わりという場面で完璧な投球をするのは普通の人間じゃできないことだし。あんまり緊張していないというコメントもしていたし」と度胸を評価する。

 前橋商(群馬)からドラフト4位で入団したプロ5年目の23歳。2022年に1軍デビューし初勝利も挙げたが、昨季はわずか4試合で0勝1敗、防御率10.95と苦しいシーズンを過ごした。今季は5月ごろから捕手を3メートル手前に立たせてコースに投げ込む練習を導入。7月以降は防御率2点台をキープした。

 吉見コーチも「質のいいまっすぐと度胸」「インコースを投げられるピッチング」を評価する。「井上が最初を投げて先輩たちにプレッシャーを与えてくれよ」と期待した。2大会ぶり2度目の世界一へ。ブレークした左腕が豪州打線に立ち向かう。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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