「ショウヘイが欲しがっている」 世界で唯一の“鍵”…スポンサー企業の映像制作の裏側

ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平【写真:ロイター】

ニューバランス社のCMの許可が下りたのは「50-50」達成の前日

 ドジャース・大谷翔平投手は今季、前人未到の「50本塁打-50盗塁(50-50)」を達成した。歴史的瞬間が達成されると、アスリート契約を結ぶニューバランス社は即座に“特別映像”を公開。ファンから「めちゃくちゃカッコいい!」「素敵な動画」と話題を呼んだ。そして大谷自身もかなり気に入っているという。

 米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は先日、ニューバランス社でマーケティングディレクターを務めるエバン・ジーダー氏のインタビュー記事を掲載。「50-50」達成を祝う動画製作の裏側が明かされた。同社のCMは「50-50クラブ」の部屋の鍵が職人によって作成され、ドアマンが部屋を開けるという内容。最後には「大谷翔平様、ようこそ50/50クラブ初のメンバーに」と、英語と日本語のいうメッセージが添えられている。

「ニューバランスは今までにない形で(オオタニの偉業を)伝える任務を与えられた。オオタニはシーズン中でドジャース(でのプレー)に専念していたので、本人を起用できないという弊害があった」と、本人なしでの映像を作ることに頭を悩まされたという。そこで生まれたのが“鍵”の製作だった。

 MLBでは節目の記録に到達した選手は、非公式ではあるものの「30-30クラブ」「40-40クラブ」と呼ばれる栄誉ある集団に“入会”する。大谷が記録を更新するたびに米記者から「オオタニが唯一の会員になった」などと形容され、「50-50」ではクラブの“創設者”となった。そこに着想を得て「オオタニは『50-50』という、限られた人しか入会できない会の鍵を持っていたので、(そのアイデアを元に)ニューバランスの『50-50』(の動画が)作成された。(実際の)鍵はGOODART社が手がけた」と伝えている。

 大谷と代理人ネズ・バレロが映像にGOサインを出したのは、「50-50」が達成される前日の9月18日(日本時間19日)だった。その後、映像が公開されると、ニューバランス社には代理人のバレロ氏からメールが届いた。「その鍵は本物? ショウヘイが欲しがっている」と書かれ、社内でも笑顔が溢れたという。そして「また話のネタになるので、ニューバランス社は実現できるよう取り組んでいる最中だ」と、大谷に鍵をプレゼントすることを検討しているようだ。

(Full-Count編集部)

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