開幕前に突然の”引退勧告”「諦めてくれ」 OP戦3割も…元首位打者が抱いた怒り
ロッテで活躍した西村徳文氏【写真:町田利衣】西村徳文氏は1997年限りで16年間の現役生活に別れを告げた
ロッテ一筋16年間プレーした西村徳文氏は、1997年限りで現役を引退した。首位打者や4年連続盗塁王など数々の栄冠を手にした男の最後は、開幕前に近藤昭仁監督から受けた“引退勧告”という思いも寄らない幕切れだった。
37歳となった迎えたプロ16年目。「最後になるんじゃないかな」という覚悟は持ちつつ、オフの自主トレにはいつも以上に励んだ。オープン戦でも打率3割をマーク。レギュラーとはいかなくても、ある程度1軍で結果を出せる自信はあった。しかしオープン戦最終戦を終え、ロッカーに貼り出された開幕1軍入りメンバーに自分の名前はなかった。
「ショックでしたね。納得がいかない。監督のところに行こうかと思っていたところにマネジャーが『近藤監督から話があります』と呼びに来たんです。行ったら『若手を使いたいから出番も少なくなる。ファームに行って指導者の勉強をしてくれないか? 球団とも話はついているので、この1年間は選手契約のままコーチになってほしい』と言われました」
西村氏はその時点で1軍出場1432試合。目標の1500試合まであと68試合に迫っていた。思いを伝えたが「60試合は厳しい。諦めてくれ」と厳しい現実を突きつけられた。突然、プロ野球選手としての“終わり”を通告されたのである。
2軍での若手指導に最初は戸惑い「負けないという気持ちがありました」
(町田利衣 / Rie Machida)