“イチロー外し”大騒動で…米記者が告白「私を最重要指名手配から外して」 異常事態に反応

米殿堂入りの会見に臨んだイチロー氏【写真:Getty Images】
米殿堂入りの会見に臨んだイチロー氏【写真:Getty Images】

モリッシー記者はイチロー、ワグナー、バーリーに投票

 マリナーズなどで通算3089安打と活躍したイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が21日(日本時間22日)、資格1年目で米野球殿堂入りを果たした。ただ、満票には1票足りず、投票しなかった記者の“犯人探し”が米国でも注目されている。投票権を持つシカゴの記者が「それは私ではない」とまさかの“主張”を行った。

 殿堂入りはBBWAA(全米野球記者協会)に10年以上所属する記者による投票で決定される。ただ、記者名・所属媒体が詳細に公開されているMVPやサイ・ヤング賞などのアワード投票と異なり、その内訳は公的に発表されていない。ただ、米メディアによると、投票用紙には「結果発表から14日後に投票内容を公開することを望んでいる?」という欄があり、記者は「Yes」「No」を選択できる仕組みになっているという。

 イチロー氏の殿堂入りから1週間が経過しているが、“その1人”はいまだ不明。米紙「シカゴ・サンタイムズ」のリック・モリッシー記者は同メディアに記事を寄稿し、「イチロー・スズキに(殿堂入りの)価値があると思わなかった投票権を持つ記者は誰だ? 私ではないぞ!」と主張した。「393人の記者はイチローに投じた。1人の匿名の記者は(イチローに)投票しかなった。繰り返しになるが、それは私ではない。私はスズキとビリー・ワグナー、マーク・バーリーに投票した」と内訳を明かした。

 同氏は事前に投票内容を明かさなかった記者の1人。それゆえ、殿堂入り発表後に“イチロー外しの犯人”探しが起きた状況で、自身の状況を説明する事態になった。しかし「ほとんどの記者は投票を公開する。私もしばしばそうするのだが、怠慢と自衛本能が重なり、今年は公開しなかった」と理由を説明。「先延ばしにしてきたのは、元ホワイトソックスのエースであるバーリーに投票してCC・サバシアに投票しないことで、野球について低能であると表現されるだろうと、私の潜在意識の中でおそらく知っていたからだ」と、今回殿堂入りしたサバシア氏へ投票しなかったことの批判を恐れたのだという。

 一方でモリッシー記者は、殿堂入り自体が素晴らしいことのはずなのに、「1人の投票者のせいで、イチローの殿堂入りが満票ではなくなったというニュースが飛び出した。スズキの野球における才気ではなく、そのことが物語となってしまった」と嘆きのコメント。また、イチロー氏の投票しなかった記者を家に招待する話を引用し、「もしこの素晴らしい男の家に招待されると知っていたら、彼のことを外していただろうか? そうしていたかもしれない。私だったらそうはしないが」。最後に「私のことを、最重要指名手配リストから外してもらって結構だ」と綴った。

(Full-Count編集部)

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