イチローを外した「大バカ野郎」 非公開が生んだ混沌、米名物記者嘆き「申し訳ない」
ただ1人イチロー氏に投票せず…名乗り出ない限り明らかにならない
マリナーズなどで通算3089安打と活躍したイチロー氏(マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)が21日(日本時間22日)、資格1年目で米野球殿堂入りを果たした。一方で満票には1票足りず、国内外で波紋を呼んでいる。匿名性という投票方式のため、外した記者の名前が明らかとなる可能性は低い。米名物記者は「米殿堂入り協会」の方針に疑問を抱く。
米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」に寄稿している名物記者ジェイソン・スターク氏は、29日(日本時間30日)に「米殿堂入りについてのQ&A」と題した記事を公開。「公開投票を強制にするのでしょうか?」というファンの質問に見解を示した。
同記者は「まだ最初に知ってほしいことは、BBWAA(全米野球記者協会)が犯人ではないということです。私たちはこの10年間くらいで2回、すべての投票結果を公開にすることを投票(で採択)しました」と前置き。しかし、米殿堂入り協会が公開投票を拒んでいるという。
投票用紙には「結果発表から14日後に投票内容を公開することを望んでいる?」という欄があり、記者は「Yes」「No」を選択できる仕組みになっている。同記者は「去年の投票数は385でしたが、公開投票を選択した投票は300以上でした。今年は、82%の投票が公開されると聞いています」。自らの投票結果が公表されたくない記者が一定する存在することを明かした。
「発表から1週間以上も経っているのに関わらず、まだ公開されていない投票が100以上もあることにも申し訳なく思います。でも、それも米殿堂入り協会の方針なのです。彼らは、結果が発表された週は、イチローを投票しなかった能なし野郎ではなく、選出された人に話題が集まることを望んでいるのです」
同記者は「ロジックは理解できます」と現在の制度を尊重しつつも、「でも、投票(理由)を説明できないのなら、私たちは投票をするべきではないのです」と、記者たちは説明責任を持つよう求めた。
(Full-Count編集部)