全てを“リセット”した源田壮亮 不倫報道も…ゼロから積み上げる31歳の覚悟

昨年12月に不倫を報じられ謝罪、全てをリセットして臨む
昨年球団ワースト記録の91敗を喫した西武は1日、宮崎県日南市の南郷中央公園でキャンプイン。源田壮亮内野手も昨年まで5年間務めた主将の肩書が外れ、レギュラー確約もあえて返上して、心機一転、再スタートを切った。
キャンプ初日はあいにくの雨に見舞われ、終日室内練習場にこもった西武ナイン。源田はウォーミングアップ、キャッチボール、ティー打撃、フリー打撃などのメニューを1つ1つ丁寧にこなしていた。「みんなでユニホームを着て練習できて、雰囲気もよかったですし、始まったなという感じです」と口元を綻ばせた。
西口文也新監督から「レギュラーは源田だけ。選手の前ではっきり言っている」と全幅の信頼を得ていたが、キャンプインを前にあえて「もう一度1からやり直したい」と直訴。今季捲土重来を期すチームは、全ポジションが白紙となった。
源田はこの日「またレギュラーを取りにいくという気持ちで、必死にやっていきたい。そういう気持ちでやっていきたいなと思ったので」と胸の内を明かした。昨年12月に不倫を報じられ、その後事実を認めて謝罪。いったん全てをリセットしたいという、切なる思いがうかがえる。
全選手に自覚を促したいという新指揮官の方針で、今季はチームにキャプテンを置かないことも早々に決まっていた。源田は「肩書のあるなしで、やることが変わることはない」と語っていたが、多少なりとも昨年と違う立場で野球に取り組むことになるの間違いない。
新監督就任に合わせて、コーチ陣も一新された。これまで西武に在籍したことがなく、他球団でキャリアを積んだ鳥越裕介ヘッドコーチ、仁志敏久野手チーフ兼打撃コーチ、を招聘し、66歳のベテラン指導者である立花義家打撃コーチも18年ぶりにチーム復帰を果たしたことは、“血の入れ替え”を強く印象付けている。源田は「コーチ陣が一新され、これから連係プレー、サインプレーの練習では、いろいろなバリエーションが出てくると思います」と目を輝かせる。
3年ぶりの2月1日キャンプイン「チーム力どんどん上げていければ」
また、西武が2月1日にキャンプインしたのは3年ぶりである。2023年はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の開催に伴い、NPBの開幕日が前年より6日遅い3月31日となったことから2月6日にキャンプイン。2024年も同様だった。選手の自主性に任せる意図もあったが、肝心のシーズン成績が5位、最下位に終わり、キャンプインの日も元に戻った。
西口監督は「しようがないよ。(昨年)弱かったのだから、やるしかない。実際には、どちらが正解かわからないけれど、みんなでそろって、たとえ4日でも5日でも早く始める方が、気持ちが入る気はする」と語った。
源田も「12球団そろってキャンプインしたので、チーム力をどんどん上げていければいいと思います」とうなずいた。あらゆるものを一新した西武が、どんじりから頂点へ一気に駆け上がるか。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)
