バウアーが語った沢村賞、YouTube、壮絶メキシコ時代、横浜愛… 入団会見での一問一答

会見に臨んだDeNAのトレバー・バウアー【写真:矢口亨】
会見に臨んだDeNAのトレバー・バウアー【写真:矢口亨】

「前回プレーしたときは優勝できませんでしたのでその思いを持って来日」

 DeNAのトレバー・バウアー投手が3日、横浜市内の球団事務所で入団会見を行った。目標には「優勝」と「沢村賞」と掲げた元サイ・ヤング賞右腕。2023年の在籍時に話題となったYouTubeチャンネルの更新も継続予定で、この日も自前のカメラをしっかりセットし、宣伝も忘れなかった。約45分にも及んだ会見での一問一答は以下の通り。

――入団の理由。
「ベイスターズに顔馴染みの選手がまだたくさんいまして、前回プレーしていたときは優勝することができませんでしたのでその思いを持って来日しました」

――2年前と変わったことは。
「文化的にもまた日本野球的にもセ・リーグというリーグについても熟知していると思いますので、前回と比べるとより準備が整った状態かなと思っています」

――横浜スタジアムや横浜の印象は。
「ハマスタに戻ってくることができてとても光栄に思っています。ファンの皆さんの熱い応援、自分の名前が書いてあるタオルも覚えています。そういったものがとても楽しみです」

――今季成し遂げたいことは。
「勝つことが好きなのでまず勝ちたいという強い思いを持っています。メキシコでも優勝することができたので、今年も日本でリーグ優勝したいと思っていますし、日本シリーズを連覇したいと思っています」

――個人的な目標は。
「最も大事にしている目標が沢村賞の受賞。それを逃すことがあったらとてもとても悲しい気持ちになると思います」

2年前に習得したスプリットは「よりよい精度に仕上げてきた」

――そのための数字は。
「その目標を成し遂げるにはとても多くのものをクリアしないといけない。まず大事なものは健康であること、しっかりした睡眠を取ること、リカバリーをすること、常に学び続けること。とても難しいチャレンジングな内容だと思います。また日本の投手、打者も大変素晴らしい選手が大勢いますのでとても難しい目標であることはわかっていますが、自分にできることは何でもやっていきたいと思っています。またそういった私も活動を知りたい方はぜひYouTubeチャンネルをご視聴いただけたらと思います」

――対戦したい打者は。
「まず対戦したいのは友人でもある村上選手。ほかに特に対戦したい明確な名前が挙げられる選手はいないが、日本球界には素晴らしい打者が大勢いますし、新しい選手も大勢いらっしゃると思います。中でも特に日本球界でも名を馳せる選手と対戦したいと思っています。それを踏まえたうえで村上選手には2本の本塁打を打たれてしまったのでリベンジしたいと思っています」

――すでに選手と交流は。
「チームメートのみんなとはいろいろな話をします。野球から日常まで、いろいろな話をしています。前回もそういったことはたくさんありましたし、すでに来日してたくさん話しをした。いろいろ質問してもらっていいスタートを切れたと思います。(具体的に?)ピッチングの内容だったり技術面、球種の握り方だったりいろいろな話。メンタル的な試合の結果が悪かったときのメンタルの持ち方だったりもさせていただきました。内容はYouTubeにもあげようと思っているので、そちらでご確認いただければと思います」

――自分が前回から進化した部分。
「前回日本にいた際に獲得した球種のひとつであるスプリット。2年のときを経てよりよい精度に仕上げてきた。ほかにはタイミングをずらすような投球技術を得てきた。山本選手とのオールスターでの会話からひらめきを得てタイミングをずらすスキルを得た。ほかはメンタル的なところ。日本でプレーした経験と米国で経験したことと直近のメキシコの経験を、メンタル的にもより強くなれたのではと思っています。メキシコの高度が高い地域なのでなかなか自分の変化球がうまく投げられなかった。その環境で投げないといけなかったわけですけど、日本は湿度が高いのでより球が動くと思うので配球だったり球種をさらに良くすることができると思っています」

――ファンへメッセージ。
「ベイスターズファンの皆さんにお会いすることを楽しみに思っています、ハマスタがメインかと思いますが、日本全国にいらっしゃる野球ファンの皆さんと接点を持てることをとても楽しみに思っています。勝つ姿を楽しみにしてもらいたいと思います」

――細川との対戦への思いは。
「細川選手とは対戦したくないです。またホームランを打たれるんじゃないかと思っています。今のは冗談ですが、彼も素晴らしい選手なので対戦を楽しみにしています」

「どんなスケジュールでも投げたい。投げることがとても好きなので」

――来日前の調整は。
「昨年の9月中頃にメキシコを離れて米国に戻り、今までの野球のキャリアの中で最も長いオフシーズンだった。その期間にしっかり調整することができたのでコンディションはいいし、多くの時間をオフのトレーニングに充てることができたのでさらに自分を磨き上げることができました」

――シーズン序盤からフル回転の準備は。
「自分としては投げてほしい、ここで投げてくれと言われたら投げるまで。個人的には中5日だろうが3日、4日、どんなスケジュールだとしても投げたい。投げるのがとても好きなので」

――沢村賞を獲りたい理由。
「サイ・ヤング賞と沢村賞、どちらも権威のある賞。MLBでサイ・ヤング賞はとても難しい、NPBで沢村賞は難しい。両方を成し遂げた人はいないので、それを成し遂げるのが私の喜びです」

――前回日本でプレーしたときより痩せた。
「前回来日したときは212ポンドくらい。離れたときは216、メキシコでは218、今は207ポンド。2020年にサイ・ヤングを受賞したときと同じ体重。なので前回日本にいたときと比べると約10ポンドくらいの差になります」

――オファーがいろいろあったかと思う中でベイスターズで優勝は優先度が高いものだったか。
「ベイスターズを選ばせていただいた理由は多くの旧友が在籍していること、前回来日した際に球団がよくしてくれてほかに多くのベイスターズファン、球団、多くの方が私に対してよく接してくれた。2つ目は勝ちたい思いが強いので勝てる球団だと思っていた。昨年日本シリーズを優勝してさらにその目標を叶えられると思いました。私が最も大事にしているのが野球を楽しむのと勝つこと。全てを叶えられる球団はベイスターズのほかに無いと思ったので迷いは一切ありませんした」

――昨年1年間はどんな1年だったか。
「いろいろあって死にかけたというエピソードもあるが、一番はメキシコで優勝できた。その過程で多くの人と出会うことができて、多くの向こうの文化、野球に振れることができてそれが印象深い」

壮絶だった昨年のメキシコ時代「最終的にコレラにかかった」

――横浜はどんな街か。
「私にとって第2の故郷。多くの見慣れた顔や場所。いろいろなよい体験をさせてもらった。この横浜という街であったことや球場であったこと、横浜の街に戻ってくることができてとてもうれしい」

――野球振興のために考えていることはあるか。
「いろいろなことがありますし、方法もあると思う。米国でやっていたときと同じ方法ではなかなか言語の壁もあるので難しいのかなと思いますが、日本の高校野球、アマチュアのルールを知らないのもあるが、私がYouTubeにあげているコンテンツの中にも無料で視聴できるコンテンツもありますので、アマチュア野球界に貢献できるのではと思っています。私1人だけですととても非力ですが、私なりにできることを頑張っていきたいと思っています」

――YouTubeは続けていくか。
「目標としては週に1回のペースで上げていきたいと思っていますが、投げる状況によって短くなったり長くなったりは想定できる。投稿先は米国の視聴者向けのチャンネルに投稿する予定ですが、日本語の字幕、翻訳されたものを投稿しようと考えています。副音声については多くのご指摘をいただいておりましたので、AIによる副音声はなしとさせていただく予定であります。多くの内容を投稿する予定です。私が沢村賞を受賞する、リーグ優勝するまでをレンズを通してそういった内容をファンの皆さんに見てほしい。私も楽しんで投稿していくので、ファンの皆さんにも楽しんで視聴してもらいたい」

――昨年は巨人が優勝。情報は知ってるか。印象は。
「もちろんジャイアンツという球団は素晴らしいチームだと思います。ただおととしは4位だったと聞いているし、とても厚みのある層のチームだと思っています。対戦相手としてはとても強敵だと思いますが、グラウンドに出てみないと何もわかりません。ベイスターズも強いチーム。ペナントレースは長いのでどう戦い抜くかはグラウンドに出てみないとわからない」

――YouTube登録者数で100万人突破したいという目標はあるか。
「昨年目標には掲げていたが残念ながら達成することはできなかった。でもこんなに世界中で見てもらえているのは光栄。100万人は個人的な目標として持っています」

――メキシコで死にかけたというのは。
「多くの不運に見舞われた。健康的な部分。最終的にコレラにかかって多くの免疫が下がっている中で多くの病気にかかって、すべて1か月以内も起きたことなので死にかけたと表現しました」

――前回はシーズン途中、今回は最初から。日本の野球を知っている。そのアドバンテージは。
「前回より仕上がっていると感じていますし、前回は実戦から離れていた期間が長くて、そこからの野球界復帰だった。今回はそういうことがなくしっかりしたプレー期間もあってスムーズな入りができている。すごく準備ができていると思っています。前回プレーしたときは防御率2点台。そこから積み上げてよりよい結果をもたらしたいし、開幕からフルスロットルでやっていきたい」

(Full-Count編集部)

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