MLB、2026年にロックアウトか 専務理事が示唆…埋まらない選手会とオーナーの“溝”

「ロックアウト」の可能性が危惧されている【写真:Getty Images】
「ロックアウト」の可能性が危惧されている【写真:Getty Images】

ロックアウトは過去3回…直近は2021年オフ

 再び“暗黒時代”が訪れるのか。メジャーリーグ選手会とオーナーが結んでいる労使協定は2026年12月1日(日本時間2日)に失効する。そのタイミングで「ロックアウト」が行われる可能性があるという。選手会専務理事のトニー・クラーク氏が米メディアのインタビューで示唆した。

 米最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」が3日(日本時間4日)、「MLB選手会は2026シーズン終了後にロックアウトを実施すると予想している」との見出しでダラッグ・マクドナルド記者の記事を寄稿した。米スポーツ経済メディア「Sportico」のバリー・ブルーム氏がクラーク氏に取材を行い、「私(の認識)が間違っていない限り、リーグ側が労使交渉を停止する予定だと伝えてきた」とコメントしたという。

 クラーク氏は「選手は実体験からロックアウトは普通のことはないし、ポジティブなことではないと理解している。これは明らかな交渉手段で、選手の仕事を奪う可能性がある。選手や彼らの家族にプレッシャーをかけているのだ」などと語り、選手側も望んでいるわけではないという。それでも、選手会とオーナーの間には確かな“溝”がある。毎回議題に上がるのは(最低保証などの)選手契約や収益分配、そして国際ドラフトやサラリーキャップ導入などに関して両者の見解は大きく異なっている。

 また、ジャイアンツのマット・チャップマン内野手は「サンフランシスコ・クロニクル」紙のジョン・シェア記者の取材に対して「これらは全て(マンフレッドコミッショナーの)交渉手段。彼は自分の筋書きの通りにしようとしている」と、オーナー側に立つことが多いコミッショナーへ苦言を呈した。

 直近では、2021年オフに失効した労使協定を巡り選手会とオーナー側が対立。3度目のロックアウトが実施され、選手たちは球団施設が全て使用できなくなっただけでなく、FAなどの契約交渉もストップした。予定されていた開幕戦もずれ込み、双方に大きな批判が集まったのは記憶に新しい。果たして、選手会とオーナーは妥結点を見つけることができるだろうか。

(Full-Count編集部)

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