前田健太は「全く違う投手になる」 指揮官も絶賛する“変化”…高まるローテ入りの期待

レイズ戦に登板したタイガース・前田健太【写真:編集部】
レイズ戦に登板したタイガース・前田健太【写真:編集部】

レイズとのOP戦で4回途中1安打無失点「首を振ってまっすぐを選択できる」

【MLB】タイガース 1ー4 レイズ(日本時間5日・ポートシャーロット)

 タイガースの前田健太投手は4日(日本時間5日)、フロリダ州ポートシャーロットで行われたレイズとのオープン戦に先発し、3回2/3を1安打無失点と好投した。レギュラー級の打者が並んだ打線から5三振を奪う力投。「僕はフライアウトや三振を取るピッチャーだと思っているので、三振を取れているときはいい状態。納得のいくボールで取れている三振も多かったので、良かったかなと思います」と、充実した表情で話した。

 打者13人に対して55球。直球の最速は94マイル(約151キロ)を記録した。3回2死で迎えた9番に対しては、捕手のサインに首を振って93マイル(約150キロ)の直球を投じた。昨シーズンにはあまり見られなかった光景だった。「去年だったら首を振ってまっすぐというのは多分、ほぼ投げてないと思いますし、ストライクゾーンに投げれないような感覚が去年はあった。今年はストライクゾーンに投げられる感覚とボールの強さだとか、抑えられるんじゃないかっていう自信があるので、首を振ってまっすぐというのを選択できる」

 結果的にこの1球はボールになったものの、最後は切れ味鋭いスプリットで空振り三振に仕留めた。「相手バッターも首を振ったら変化球というのが頭にあると思うので。そういう意味でも首を振ってまっすぐというのが増えてくると、より迷ってもらえますし、打ち取れると思います」と頷いた。

 3勝7敗、防御率6.09と不振で中継ぎに回る屈辱を味わった昨季の反省から、オフは11月から投球練習を開始し、投球フォームの修正に取り組んだ。ヒンチ監督もフォーシームの球威が増していることを指摘。「このリーグの打者たちは健太が素晴らしい変化球を持っていることを知っている。今日の試合もスプリットとスライダーが良かった。それに加えて、打者がフォーシームをリスペクトする必要が出てくれば、彼は全く違う投手になるし、成功により近づける」と変化を感じ取っている。

 また、ヒンチ監督はオープン戦で先発陣の中で最も早く4イニング目まで投げた点も評価。「それだけ順調に来ている証拠だ。彼は先発ローテーション入りに向けてチームにいい印象を与えるためにオフにしっかりと準備をしてきた。フォーシームと変化球の精度が抜群に良かったし、とても印象的な登板だった。しっかりと成功を積み重ねてきている」と絶賛した。

 タイガースの先発陣は、昨季のア・リーグのサイ・ヤング賞左腕タリク・スクーバルとジャック・フラハティが左右の軸で、競争は激しい。4日にMLB公式サイトが開幕時の先発ローテーションを予想する記事を配信。そこに前田の名前は入っていなかった。ただ、オープン戦に3度登板し、8回2/3を投げて計14奪三振、防御率3.12と力強い投球を続けている右腕の存在感は確実に増している。ヒンチ監督は「まだ開幕のローテーションや陣容を語るのは時期尚早だが、健太はシーズンに向けて万全な状態に見える」と高評価し、開幕ローテーション入りに大きく前進していることを示唆した。

 これに対して、キャンプイン時に先発入りが確約されていない立場の前田は「とにかく結果を残し続けることと、いい内容を見せることによって、選んでもらえる確率は上がってくると思う。いま自分がどの位置にいるかはチームにしか分からないけれど、選んでもらえるようにアピールしていくしかないかなと思っています」と慎重な口ぶり。メジャー10年目のベテランは、結果に一喜一憂することなく、開幕を見据えている。

(Full-Count編集部)

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