3月上旬で衝撃158キロ…投手コーチ唖然「エゲつないっすね…」 “脱力投法”で進化の26歳

オランダとの強化試合…投手陣が完封リレー
野球日本代表「侍ジャパン」は5日、「ラグザス 侍ジャパンシリーズ2025 日本vsオランダ」でオランダ代表と対戦し、5-0で勝利した。投げては6投手が持ち味を発揮し、完封リレーを見せた。中でも能見篤史投手コーチが唸ったのは、今井達也投手(西武)の剛速球だった。
能見コーチは「各選手がみなさん落ち着いて投げているのはとても印象的でした。いいものを見せてもらいました」と6投手に“合格点”を与えた。その中でも、3月上旬ながら最速158キロを2球マークした今井のボールには「エゲつないっすね……」と笑うしかなかった。
今井は6回から登板。脱力したフォームから繰り出されるボールは最速158キロをマークし、場内のファンはスコアボードの球速表示に1球1球目を向けた。3月上旬という時期で、肌寒いドームの中でも平均球速は154.1キロをたたき出した。数年前からアスリートコンサルタント鴻江寿治氏の自主トレに参加している今井は、同じく侍ジャパンに選ばれた種市篤暉投手(ロッテ)らとともに、効率的な投球フォームを模索。今の“脱力投法”に至った。
マウンドでは制球に苦しむ場面があったものの、2イニング目は修正。スライダーは相変わらずの切れ味で、今井本人は「本当にいい緊張感の中で投げられた」と振り返った。
この強化試合は、来春のWBCへ向けてのアピールの場。本戦への選出について能見コーチは「1番はしっかりと自分の持ち味を出して、腕をしっかり振れるかどうかというところのは1つのポイントになるのかなと」と“基準”を明かす。
“荒れ球”も今井の持ち味。自分らしく腕を振った26歳は「本当に球界を代表してプレーするのは、経験してみたいことではあります」とWBC出場へ意欲。シーズンで文句ない投球を見せ、もう1度侍のユニホームに袖を通すつもりだ。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)