初登板KO→2軍落ちで「トレードして」 元助っ人が激白…“史上初”を生んだ直談判

日本ハム時代のエドウィン・エスコバー【写真:石川加奈子】
日本ハム時代のエドウィン・エスコバー【写真:石川加奈子】

エスコバーは2017年に日本ハム入りも7月にDeNAにトレード移籍

 2023年までDeNAでプレーしたエドウィン・エスコバー投手は、今季からオイシックス新潟に加入し、2シーズンぶりに日本でプレーする。最初の来日は2017年の日本ハム入団時。しかしわずか半年後の7月にトレードでDeNAに移籍した。NPBの外国人選手で契約1年目のシーズン中にトレードは史上初という珍しい事態だったが、実は栗山英樹監督への直談判があった。

 メジャーと3Aを行き来していた頃、日本からのオファーを受けた。DeNAに在籍していたホセ・ロペス氏や同じベネズエラ出身のアレックス・カブレラ氏から話を聞き「日本なら自分のパフォーマンスを発揮できる。新しい国に行く心配はありましたが、野球は野球なので」と異国の地での挑戦を決断した。

 来日初登板は先発だった。4月2日の西武戦(札幌ドーム)で、4回1/3を5失点でKOされ2軍調整となった。その後は太腿裏の故障もあり約2か月をファームで過ごした。怪我が癒えても、外国人枠の兼ね合いもありなかなか1軍から声はかからなかった。

「その頃、自分で栗山(英樹)監督に直接『日本に仕事をするために来た。投げたい気持ちがあるので何とか投げさせてくれ。もしそういうチャンスがなければトレードしてください』という話をしました」

 米国では活発に行われているトレードだが、日本ではまだそう多くはない。ましてや来日からわずか半年という史上初の事態。もちろん両球団の思惑が合致したからこその成立だが、左腕の強い思いも一因になったかもしれない。「今振り返ってみると、史上初めてということで貴重なチャンスをもらえたということですね。あのトレードは自分の転機。あれをキッカケに、これまで日本で400試合近く(395試合)投げることができたと思います」と誇らしげに言った。

 DeNAでは同郷のアレックス・ラミレス監督の信頼を得て多くマウンドに上がった。合言葉は「オトコハ、ダマッテ、ナゲルダケ」。2019年にはリーグトップの74試合に登板するなど、2018年から5年連続50試合以上登板を成し遂げ「鉄腕」と呼ばれるようになった。

(町田利衣 / Rie Machida)

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