千賀滉大の「ミラクルボール」にNY番記者騒然 開幕投手逃すも…指揮官「彼がエース」

メッツ・千賀滉大【写真:ロイター】
メッツ・千賀滉大【写真:ロイター】

メッツ・千賀「満足かと言われたらそうではない」

【MLB】メッツ 3ー3 カージナルス(日本時間15日・フロリダ)

 メッツ・千賀滉大投手が14日(日本時間15日)、フロリダ州ポートセントルーシーで行われたカージナルス戦に先発し、3回1/3を投げて7安打2失点、1奪三振で降板した。千賀は「怪我もなく順調に投げられた。いろいろ試す中で結果を気にせずに投げれてとりあえず順調かなと思います」と振り返った。

 3月3日(同4日)以来となるオープン戦2度目の登板は、毎回走者を背負う苦しい投球だった。2回までは粘り強く無失点に抑えたが、3回無死二塁で、昨季マイナー傘下3Aで15本塁打を放った9番ポゾに甘くなった変化球を狙われ、左翼への2ランを献上した。この回は球数がかさんだことで途中降板し、4回に再びマウンドへ上がった。

 打者16人に対して毎回の7安打を浴びて2失点、三振は1つ。直球の精度を確認することをテーマにマウンドに上がったという右腕は「自分の出力感と球のズレがどれだけ出てくるのか(を把握する)というのが一番大事だと思っています。満足かと言われたらそうではないんですけど、大きなけがなくやれているというのが一番」と振り返った。

 あくまで2週間後の開幕に備えて一歩ずつ前進していく構えだ。メンドーサ監督も「ベストの内容ではなかったが、スプリングトレーニングとはそういうものだ。彼にとってはいい練習になった」と気にしていなかった。

 試合では63マイル(約101キロ)のスローボールも投げた。この球については米メディアも驚いたようで「名前はあるのか?」などと質問が飛んだ。千賀は「ミラクルボール」と返答し、笑いを誘った。今後、新球種として配球に組み込まれる可能性については「いやー、打たれたら後悔しそうだなって思います」と笑って否定。それでも「ミラクルボールは誰が命名したのか?」と質問が続いたため、「その話はほじくらないでください」と苦笑い。ゴーストフォークに続く、「秘密兵器」の出現にメッツの番記者たちは興味津々だった。

指揮官「健康であれば、彼がエースだ」

 試合前には、新加入のクレイ・ホームズ投手が開幕投手を務めることが監督から公表された。千賀は最初の5試合のどこかで先発する見通しで、「1年間健康に投げるということを(目標にしていて)、全員が思ってそういうプランができたと思う。それをできたらと思います」。自身初の栄誉よりも、シーズンを通しての活躍を見据えている。

 昨季は故障でレギュラーシーズン1試合の登板にとどまったが、1年目の2023年は12勝を挙げて先発陣を引っ張った。フル稼働が活躍がチームの成功に直結することは首脳陣と千賀の共通の理解。メンドーサ監督は「彼がこのチームと先発陣にとってどれだけ大事な存在であるかはみんなが分かっている。2023年に活健した姿を望んでいる。試合に臨む準備などの姿勢は真のプロ。健康であれば、彼がエースだ」と絶大の信頼を寄せている。

(Full-Count編集部)

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